Project/Area Number |
16790046
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Biological pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 直也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (20280951)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | Aggrus / 血小板凝集 / がん転移 / モノクローナル抗体 / 肺癌 / 糖鎖 |
Research Abstract |
新規血小板凝集因子Aggrus/Podoplaninは、がん転移促進に働く膜タンパク質として同定した分子である。実際にがん細胞における発現量がその細胞の転移能に相関していること、さらにaggrusを遺伝子導入したCHO細胞が肺転移を起こすようになることからも、Aggrusががん転移促進に関わる分子である事が明らかとなっている。昨年度までにヒトAggrusを発現しているがんの種類を同定するためにCancer Profiling Arrayを用いた解析を行ない、大腸癌や精巣腫瘍の中のセミノーマ特異的にAggrus高発現が認められることを明らかにしてきた。本年度も継続して検討を行なった結果、Cancer Profiling Arrayにスポットされている肺扁平上皮癌15症例中の10症例(66.7%)でaggrus遺伝子発現が亢進している事を見いだした。そこで肺癌21症例の組織切片を用い、作製した抗Aggrusポリクローナル抗体で免疫染色を行なった。8症例分含まれていた肺扁平上皮癌の組織切片中7症例(87.5%)で強い染色像が得られたのに対し、残りの13症例分含まれていた肺腺癌の中で強染色像が得られたのは2症例(15.4%)にとどまっていた。さらに、正常肺組織で強い染色像が得られたものはなかった。さらに培養細胞株におけるAggrus発現を検討した結果、肺扁平上皮癌由来のNCI-H226細胞株ではAggrus発現が認められたが、肺腺癌由来であるNCI-H23、NCI-H522、A549細胞株では発現が認められなかった。実際にNCI-H226細胞は血小板凝集誘導活性を持っている事が確認された。以上の結果より、Aggrusは肺扁平上皮癌の腫瘍マーカーとなりうる事が示唆された。さらにAggrus発現を減少させるsiRNA配列を決定し、このsiRNA処理によりNCI-H226細胞のAggrus発現を減少させる事に成功した。このsiRNA処理により、NCI-H226細胞の血小板凝集誘導活性が減弱したことから、このsiRNAは、Aggrus高発現癌細胞の転移抑制剤として使用できる可能性が示唆された。
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