脳関門におけるABCG2の生理的役割と活性制御機構の解明
Project/Area Number |
16790098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | The University of Tokyo (2005) Tohoku University (2004) |
Principal Investigator |
堀 里子 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 寄付講座教員(助手担当) (70313145)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | ABCG2 / 血液脳関門 / RNAi / ホモバニリン酸 / ノックアウトマウス / 17β-Estradiol / 非ステロイド性抗炎症薬 / Aktキナーゼ / 星状膠細胞 / bFGF / 脳毛細血管内皮細胞 |
Research Abstract |
申請者は昨年度までに、血液脳関門(BBB)の血液側膜に発現している薬物排出輸送担体ABCG2の発現・活性が、星状膠細胞培養上清やbFGF、ホルモンによって誘導されること、およびそのシグナル経路の一部を明らかにした。本年度は、BBBにおけるABCG2の生理機能をより詳細に明らかにすることを目的として、ABCG2ノックアウトマウス(in vivo)及びRNAi法(in vitro)を用いて、ABCG2機能および寄与の検討を行った。ABCG2ノックアウトマウスを用いて、各種放射性ラベル化合物の脳内移行性を比較検討した。検討した化合物のうち、ドパミンの最終代謝産物である[^3H]ホモバニリン酸の脳内移行がABCG2(-/-)マウスにおいて、ABCG2(+/+)マウスと比較して有意に低下していた。さらに、ABCG2過剰発現細胞株を用いた輸送実験から、ホモバニリン酸がAECG2の基質となることが見いだされた。以上から、BBBを介した脳からのホモバニリン酸の排出にABCG2が関わっている可能性が示された。さらに、作成したABCG2 siRNAによって、基質スペクトルが類似しているABCB1やAECC1、同じサブファミリーに属するABCG1に影響を及ぼさず、選択的にBCECにおけるABCG2の発現を抑制することに成功した。これらの輸送担体は、BBBに発現していることから、本手法によってABCG2のBBB排出輸送における機能を特異的に評価し、ABCG2の寄与解明に応用できる可能性が考えられた。本研究成果の一部は本年度の日本神経科学大会において発表した。以上、本研究から、BBBの血液側膜に発現しているAECG2は、脳内の内因性物質の排出に関与しており、その発現・活性は、血液中及び脳内の各種環境因子によって制御されていることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(19 results)