Project/Area Number |
16790123
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General anatomy (including Histology/Embryology)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
篠原 美都 京都大学, 医学研究科, 助手 (10372591)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 遺伝子 / ゲノム / 幹細胞 / 分化 / バイオテクノロジー / 精子形成 / 生殖細胞 / 遺伝子導入 |
Research Abstract |
本研究では精子幹細胞移植法を中心に、精子幹細胞のclonal analysisを行い、遺伝情報がどのようなパターンで子孫に伝えられて行くのかを調べることが目的である。本年度の研究では、精子幹細胞をレトロウイルスに感染させることによりマーキングし、これをホストマウスに移植して得られる子孫についてゲノムDNAを調べ、多数の精子幹細胞の中からどのようなパターンでいくつかが選ばれて精子形成に関わるかを調べた。 9匹のホストマウスにレトロウイルスを感染した精子幹細胞を移植し、それぞれ3-4匹の野生型雌マウスと交配させた。産生された340匹の仔の尻尾DNAを採取し、サザンブロットを行った。ウイルス遺伝子の挿入のパターンから、産生された仔がいくつの精子幹細胞由来か、それぞれの精子幹細胞はどのくらいの期間、そしてどれくらいの頻度で貢献しているか、を判定した。340匹中69匹が外来遺伝子を挿入しており、その挿入パターンは多様であった。同じパターンの子孫が極めて長い期間に繰り返し出現することが観察された。一例では、移植後98日に出現したのと同じパターンが、移植後260日でも出現した。このことから、単一の精子幹細胞がかなり長期間にわたって精子形成に貢献することがわかった。これらの成果は現在論文草稿の準備中である。 また我々は精子幹細胞の長期培養を行い、培養中の精子幹細胞が2年以上に渡って精子形成を安定的に行うことを見いだした。精子幹細胞は2年の培養ののちもインプリンティングや核形、増殖速度に変化なく、移植により正常な精子を産生し、子孫も作成した。しかし同時に、精子幹細胞がテロメラーゼを発現するにも関わらず、そのテロメア長は2年の培養の間に短くなっていることも観察された。この実験結果はDevelopment誌(Vol.132,4155-63,2005)に報告した。 これらの実験結果から、精子幹細胞が無限ではないが極めて長い寿命を持っていることを示している。
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