ストレスによる攻撃行動および性行動に対する影響におけるエストロゲン受容体βの役割
Project/Area Number |
16790145
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
野村 昌良 産業医科大学, 医学部, 助手 (80369066)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | エストロゲン受容体 / 攻撃行動 / 性行動 / ノックアウトマウス / ストレス / テストステロン / 視床下部-下垂体-副腎系 / アンドロゲン受容体 |
Research Abstract |
我々のグループはエストロゲン受容体αおよびβ(estrogen receptor (ER)α,ERβ)のノックアウトマウス(ERα knockout mouse;αERKO, ERβ knockout mouse;βERKO)を用いて攻撃行動および性行動におけるERの中枢神経系での役割に関する研究を行ってきた。これらの一連の研究において、少なくとも雄ではERβは攻撃行動においてERαとは異なり、抑制的に作用していることが示唆された。本研究ではβERKOマウスの攻撃性にストレスがどの様に関与するかを調べた。すなわちβERKOマウスは社会的ストレス存在下では、それに適応できず、WTと比べてより高いレベルの攻撃性を引き起こすことかどうについて調べた。また、その分子レベルのメカニズムを解析する目的で、脳内のストレス反応に関与する部位において、社会ストレスが引き起こす神経細胞の活性化の程度をin situ hybridization法を用いて解析した。社会的ストレスとして、ホームケージの中央にintruderマウス(侵入者)を入れたプラスティック製の円柱状容器(4x4x6cm;有孔性透明)を15分間留置し、その後intruderマウスをホームケージ内に戻しresident-intruder法により15分間、攻撃行動をビデオに記録した。その後に断頭し、脳を摘出した後凍結切片を作成し、in situ hybridization法を用いて神経細胞の活性化の指標であるc-fos遺伝子の発現を調べた。 βERKOマウスは社会ストレス(15分間のinsitigation)後、WTマウスと比べて著明に高度な攻撃行動を示すことを明らかにした。また15分間のinsitigation中に、βERKOマウスはintruderに対して有意に長いsniffing(においをかぐ行動)を示した。またin situ hybridization法では、βERKOマウスでは社会ストレスに対して、ストレス反応に関与する部位(視索前野、分界状床核、扁桃体)でWTと比べて、より高度に神経細胞が活性化されることを明らかにした。これらの結果はERβが社会的ストレスにより引き起こされる攻撃行動に対して抑制的に作用することを示唆するものであり、ERβは脳内のストレスに関連する部位での神経回路の活性化に対しても抑制的に作用することが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)