Project/Area Number |
16790153
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General pharmacology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
入江 康至 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70303948)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | 脱ニトロ化酵素 / ヒストンH1.2 / ニトロチロジン / 蛍光アッセイ |
Research Abstract |
脱ニトロ化酵素の特異的基質であるヒストンH1.2は分子中にチロジン残基を一個だけ持つので、この近傍のアミノ酸配列からなる合成ペプチドを基質としてアッセイ系を組んだ。ペプチド中のABZ(Aminobenzoylgroup)は蛍光を持つが近傍にあるニトロチロジン残基によってクエンチされる。脱ニトロ化されてニトロ基が除去されるとクエンチング効果が無くなって蛍光を発するようになる。他方、ABZとニトロチロジン残基の間で切断が起こっても蛍光を発してしまうので、これを避けるため、ABZとニトロ基を持たない競合ペプチドを過剰量アッセイ系に加えた。 上記アッセイ系を用いて、マウス肝臓から活性を示す画分を精製した。最終精製画分をSDS pageにかけ、Peptide Mass Fingerprinting法を用いて、酵素の同定を行った。その結果、得られた酵素は、新規のペプチダーゼであることがわかった。精製した酵素で基質ペプチドを反応後、低分子量画分を質量分析装置で解析したところ、ニトロチロジン残基近傍で切断された生成物の分子量に相当するピークが認められた。また、精製した酵素を用いて、種々の酵素学的検討を行った結果、この酵素は1)ニトロチロジンを含むペプチドを優先的に切断すること、2)遊離ニトロチロジンによって競合阻害を受けることがわかった。また、3)この酵素を用いて、ヒストンH1.2蛋白質を用いた膜上脱ニトロ化反応(研究目的参照)が起こるかどうかを調べたところ、脱ニトロ化活性を示さなかった。以上のように、本研究は当初の研究計画とは異なり、脱ニトロ化酵素の同定には至らなかったが、一方でニトロ化修飾特異的ペプチダーゼ(NSP)という思いがけない新領域の発見に繋がった。現在、この酵素の生理的機能についての解析を進めている。
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