高次脳機能におけるサイクリックADPリボース情報伝達系の役割の解明
Project/Area Number |
16790159
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
野口 直哉 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (20333792)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | サイクリックADPリボース / CD38 / 細胞内カルシウム / 遺伝子欠損マウス / オキシトシン / 社会行動 / 自閉症 / FK506結合蛋白質 / 小脳プルキンエ細胞 / シナプス長期抑圧現象 |
Research Abstract |
サイクリックADPリボース(cADPR)情報伝達系は我々が提唱した新規の細胞内Ca^<2+>動員系である。これは代謝酵素CD38によってNAD^+から生成されたcADPRが、小胞体からのCa^<2+>放出を起こして細胞応答を惹起するものであり、膵ランゲルハンス島β細胞のインスリン分泌をはじめ種々の組織・細胞の生理現象に関与している。 小脳プルキンエ細胞におけるシナプス伝達効率の長期抑圧現象は、高次脳機能の一つである運動学習の基礎過程であると考えられており、この現象には細胞内Ca^<2+>濃度の上昇が重要であることが知られている。従って本研究では、CD38欠損マウスを用いて、運動学習におけるcADPR情報伝達系の機能を解明することを目的としている。 平成17年度は高次脳機能として主に小脳の運動学習を対象としたマウス行動実験を計画しているが、本年度の研究遂行中に、CD38欠損マウスの血中オキシトシン濃度が野生型マウスの半分以下にまで低下していることを見出した。オキシトシンは視床下部で合成され下垂体後葉から分泌される神経ペプチドで、従来は分娩・授乳時に作用すると考えられていたが、近年個体相互の協調性や相手の認識といった社会性にも関与することが明らかになり、社会性の障害を主徴とする自閉症との関連が注目されている。そこで相手マウスを記憶・認識させる社会行動実験を行ったところ、CD38欠損マウスでは野生型マウスに比べ有意に認識力が低下していることが明らかになった。 つまりCD38欠損マウスではサイクリックADPリボース情報伝達系の機能異常によりオキシトシン分泌が低下し、この結果社会行動に異常が生じたと考えられた。ヒト自閉症例では血中オキシトシン濃度が半分程度に低下していることが報告されている。CD38欠損マウスでも同様のオキシトシン濃度低下が認められ、かつ社会行動に異常が認められたことから、サイクリックADPリボース情報伝達系の機能異常がヒト自閉症の原因の一つとなっている可能性が考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(32 results)