細胞の機械的刺激受容プロセス中心分子の探求と細胞骨格系を中心とした応答機構の解明
Project/Area Number |
16790179
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
東端 晃 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部宇宙環境利用科学研究系, 助手 (30360720)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 機械的刺激 / 低分子量Gタンパク質 / 細胞骨格 / プロテオミクス / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究では、ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)における機械的刺激受容プロセスについて、その中心となる分子の探求と刺激受容の過程において重要な役割を果たすと考えられる細胞骨格形成に関わる分子群を中心に、遺伝子発現変化の網羅的解析およびタンパク質発現に関する経時的変化について分析した。HUVECに伸展刺激を負荷(伸展率20%、伸展周期1秒)し、DNAマイクロアレイを用いて遺伝子発現の変化を経時的に解析した結果、伸展負荷からおよそ5分程度という短い時間でROCKおよびミオシン軽差キナーゼの発現量が1.5倍程度増加した。一方、ミオシン軽鎖の脱リン酸化を触媒するミオシン軽鎖ホスファターゼは、伸展負荷から10分経過後には発現量が約80%に減少した。このことから、遺伝子レベルでは伸展負荷後5〜10分でミオシン軽鎖がリン酸化されやすい状況に変化していることが示唆された。これは、伸展刺激に応じてアクチンファイバーの再構築を行うためにミオシン軽鎖のリン酸化が必須であることを裏付けている。また、二次元電気泳動によるタンパク質発現解析においても、伸展負荷後10分程度でRhoやRasなどの低分子量Gタンパク質に関連した分子に変動が認められた。これらの結果から、Rhoの下流に位置するRhoキナーゼ(ROCK) の活性化に伴うミオシン軽鎖のリン酸化によってアクチンの重合が促進される系において、細胞における伸展刺激の感受は10分程度の比較的短い時間内にリン酸化反応などの細胞内イベントに変化が起こり、特にミオシン軽鎖のリン酸化が促進され、環境に適した細胞骨格系を再構築することが示された。またこの再構成の系には、伸展負荷による低分子量Gタンパク質の発現変化も関与していることが示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)