Project/Area Number |
16790194
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pathological medical chemistry
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
小柳 悟 九州大学, 薬学研究院, 助教授 (60330932)
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Project Period (FY) |
2005 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,800,000 (Direct Cost: ¥2,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | がん / 時間薬物療法 / 血小板由来増殖因子(PDGF) / 時計遺伝子 |
Research Abstract |
本研究は、腫瘍モデル動物を対象にがん細胞の増殖能の日内変動が正常細胞とは異なる独自のリズムパターンを刻むことの原因究明を目的としており、これまでに血小板由来増殖因子(PDGF)の受容体シグナル伝達が腫瘍細胞の増殖リズム形成において重要な役割を担っていることを明らかにした。 腫瘍細胞内におけるPDGF受容体のチロシン残基のリン酸化には、リガンドであるPDGF蛋白の発現リズムと対応した明瞭な日内変動が認められが、PDGF受容体リン酸化阻害剤の持続的な投与により、本受容体のシグナル伝達の日内変動は消失した。また、シグナル伝達の日内変動が消失した状態においては腫瘍細胞の増殖能は正常細胞と同様のリズムパターンを示すよう変化したことから、PDGFは一日の中の特定の時間帯にシグナルを伝達することで、腫瘍細胞の増殖能に独自の日内変動を引き起こすと考えられた。 一方、PDGF受容体の活性化による細胞増殖作用は、MAPキナーゼの活性化や各種細胞周期制御因子の発現促進に基づいて引き起こされるが、PDGFシグナルによる腫瘍細胞の増殖リズム形成に少なくとも数種類の細胞周期制御因子が関与していることが示唆された。また、イマチニブなどの分子標的薬剤は、PDGF受容体が活性化する時間帯に投与することで、より高い抗腫瘍効果が期待できることが明らかになった。
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