Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
SCID-huマウスを用いた肝細胞癌特異的ヒト抗体phageライブラリーについて、panning、回収されたファージクローンの検討を行ったが、特異性に関して十分なものが、得られなかった。肝細胞とファージの親和性の強さが示唆されたため、細胞株の変更と、より容易な系によるpanning状況の検討を行った。1.培養細胞株を使用したpanning法の再検討より容易な系にてpanning条件を検討する目的で、CD26をSCID-huマウスで免疫、作製したヒト抗体phageライブラリーを用い、CD26発現、Jurkat細胞に特異的に結合するscFvクローンを得た。この時、本来CD26を発現していないJurkat細胞による非特異的クローンの吸収を行った。2.肺小細胞癌特異的ヒト抗体phageライブラリーの作製1.肺小細胞癌株H889をSCID-huマウスに免疫し、ヒト抗体phageライブラリーを作製した。細胞株をそのままアジュバントともに腹腔内投与し、膜分画の精製は行わなかった。2.H889に対するpanningの前に、上記、Jurkatで検討した条件で、肺腺癌細胞株A549による非特異的クローンの吸収を行った。吸収、Panning操作を3回繰り返すことで、H889に結合するクローンを多数得た。スクリーニングにはwhole-cell ELISAを用いた。3.上記クローンのうち、A549に対して、H889により結合力が強いクローンを選別、獲得した。確率としては、2.で得られたクローンの約1/3であった。