難治性前立腺癌に対する細胞免疫治療に必要なヘルパーT細胞エピトープペプチドの同定
Project/Area Number |
16790220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
小林 博也 旭川医科大学, 医学部, 助手 (90280867)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | 前立腺癌 / ヘルパーT細胞 / ペプチド / エピトープ / 免疫療法 / 癌ワクチン / 腫瘍免疫 / WT1 / 免疫治療 / HLA |
Research Abstract |
前立腺癌の免疫治療に有効な標的抗原として、six-transmembrane epithelial antigen of the prostate(STEAP)とWT1に注目して、その蛋白の腫瘍中の発現と、これらの分子に特異的なヘルパーT細胞の反応性について検討した。 STEAP及びWT1の蛋白レベルの発現をウエスタンブロット法で検討した。前立腺癌細胞株(LNCaP,PC3,LAPC4,DU145)にはSTEAP及びWT1がいずれも発現しており、前立腺癌に対する免疫細胞治療の標的抗原になりうることが示された。更に興味深いことには、STEAPはメラノーマ細胞株やメラノーマ生検材料にも発現が認められた。このことは、STEAPが前立腺癌のみならずメラノーマ抗原としても機能することが示唆された。 健常成人からリンパ球を単離し、これら分子に対する細胞性免疫反応を観察した。STEAP,WT1の全アミノ酸配列からアルゴリズム解析ソフトを用いて、個人間のHLA class II抗原に制約を受けずに多数のHLA class II抗原分子に結合可能なことが予測された15残基のペプチドをSTEAP,WT1から各々2個ずつ合成した。健常人末梢血から分離したCD4陽性T細胞と樹状細胞をペプチドの存在下で共培養し、その後複数回の刺激を行ってSTEAP,WT1ペプチド特異的ヘルパーT細胞ラインを5名の健常成人から樹立した。詳細なエピトープ解析からSTEAP102-116ペプチドはHLA-DR1,DR9,DR53拘束性に、STEAP192-206ペプチドはHLA-DR1,DR9,DR53拘束性に、WT1124-138ペプチドはHLA-DR53拘束性に、WT1247-261ペプチドはHLA-DR1,DR15拘束性にヘルパーT細胞を活性化させ、IFN-γあるいはGM-CSFなどのTH1サイトカインを分泌させた。またこれらのペプチドは複数のHLA-DR分子に結合してヘルパーT細胞を誘導したことから、promiscuousエピトープペプチドであることが示された。樹立されたヘルパーT細胞ラインは、いずれもSTEAP,WT1を発現する前立腺癌細胞株あるいはメラノーマ細胞株をHLA-DR分子を介して認識しサイトカインを分泌した。このことは、今回明らかにされたSTEAP並びにWT1エピトープペプチドは、生体内で自然な形態で発生しうるnaturally processed antigenic peptideであり、これらの分子を標的とする癌ペプチドワクチンの設計に寄与するものと考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
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