ネズミマラリア感染における自己抗体誘導の役割と胸腺外分化T細胞との関連について
Project/Area Number |
16790246
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Parasitology (including Sanitary zoology)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
モハメッド・カイサール マヌール (マヌール モハメッド・カイサール) 琉球大学, 医学部, 助手 (70347136)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | ネズミマラリア原虫 / 胸腺外分化型T細胞 / 抗DNA抗体 / 再感染 / 腹腔浸出細胞(PEC) / B220^+CD3^+細胞 / 自己抗体 / 抗赤血球抗体 / サイトカイン / CD5^+B細胞 / ヘマトクリット値 / 網状赤血球 |
Research Abstract |
マラリア原虫に対する感染防御は胸腺内分化型T細胞による細胞性免疫と液性免疫機搆により担われることが多くの研究者によって明らかにされている。しかしながら、近年、胸腺外分化型T細胞(NKT細胞サブセットの一群)が、自然免疫すなわち初期感染防御のみならず、マラリア感染防御においても重要であることが明らかになった。液性免疫機構を担うマラリア抗原特異的抗体は感染後期に上昇する。一方、感染に伴う自己抗体(抗ssDNA抗体)は初期に胸腺外分化型T細胞の増加に伴って誘導されるが、マラリア感染では顕著な自己免疫様病態形成は見られていない。このような感染により誘導される自己抗体の役割については不明な点が多い。本研究では、C57BL/6マウスにネズミマラリア原虫Plasmodium yoelli 17XNLの赤内型を、初感染では10^6、再感染では4X10^8感染させる系を用いて解析を行った。 (1)初感染時におけるparasitemiaは約50%まで上昇し、約27日で原虫は血中から排除された。一方、再感染時ではparasitemiaは0.5%を示したに過ぎず、3〜4日目で原虫は排除された。 (2)初感染時では血清中のIgGとIgM型の抗ssDNA抗体価の上昇が見られ、再感染時ではIgG型の抗ssDNA及びdsDNA抗体価が初感染時より約2〜3倍と有意に増加した。 (3)NKT細胞サブセットの解析では、初感染時に胸腺外分化型のCD3^<int>CD122^+NK1.1^-細胞が肝臓と脾臓で増加するが、再感染時ではこれらの臓器での増加は顕著でなく腹腔内で著しい増加を示した。 (4)再感染時に自己抗体産生細胞(CD5^+B細胞)の亜群と考えられるB220^+CD3^+細胞が腹腔内で増加し、その時期はIgG型抗ssDNA及びdsDNA抗体の上昇と一致した。 これらの結果から、自己抗体による感染防御能は再感染時に強く誘導され、腹腔内で増加するB220^+CD3^+細胞から産生される抗DNA抗体が直接原虫の排除に当たると共に、間接的に獲得免疫機構を増強する可能性が示唆された。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)