赤痢菌の上皮細胞感染におけるオートファジー阻害機構の解析
Project/Area Number |
16790253
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小川 道永 東京大学, 医科学研究所, 助手 (80361624)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | 赤痢菌 / オートファジー / 阻害機構 / 認識機構 / IcsB / VirG / Atg5 |
Research Abstract |
本研究課題の研究成果より赤痢菌のiscB遺伝子欠損株(ΔicsB)は上皮細胞に侵入後オートファゴソームによる貪食を高頻度に受けることが明らかになった。さらに、オートファゴソームの「種(たね)」であるGFP-Atg5を発現させたBHK細胞にΔicsBを感染させたところ、菌体の一極へのAtg5の局在が観察されたことから、赤痢菌の一極に局在することが報告されているVirGとAtg5の結合性の解析を行った。その結果、VirGとAtg5の結合が認められ、さらにIcsBがVirGとAtg5の結合を競合的に阻害することが明らかになった。VirGによるオートファジー誘導能を検討するために、virG遺伝子変異株(ΔvirG)をMDCK細胞に感染させた結果ΔvirGではオートファジーが完全に抑制されることが明らかになった。これらの結果から、赤痢菌感染において観察されるオートファジーは赤痢菌の細胞内でのアクチンコメットの形成に必須であるVirGが宿主細胞のオートファジーに必須のタンパク質であるAtg5により認識されることにより誘導され、これはIcsBによって競合的に阻害されることが明らかになった。これらの研究成果をふまえAtg5に結合する宿主タンパク質の検索をyeast two-hybrid法により行った結果、Atg5と相互作用する5種類の候補タンパク質を得た。各々の候補タンパク質についてin vitroおよびin vivoでのAtg5との結合性、および赤痢菌感染によって観察されるオートファゴソームとの局在性の検討をおこなった。その結果4種類の候補タンパク質がin vitroにおいてAtg5と結合性を示し、最終的に1種類の候補タンパク質(AfpIと命名)が赤痢菌感染時に観察されるオートファゴソームと共局在することが明らかになった。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)