ウイルス感染に起因する細胞外マトリックスの変化と病態発生の関連
Project/Area Number |
16790270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
五藤 秀男 東京大学, 医科学研究所, 助手 (50323639)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
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Keywords | インフルエンザ / ノイラミニダーゼ / プラスミノーゲン / インフルエンザウイルス / 病原性 |
Research Abstract |
一般的に細胞表面におけるプラスミノーゲンの活性化には、プラスミノーゲン、プラスミノーゲン受容体、プラスミノーゲンアクチベーターu-PA、そしてu-PA受容体の4要素が関与すると考えられている。インフルエンザウイルス感染におけるプラスミノーゲンの活性化に、それらの要素がどのように関わっているのかは不明である。本年度は原点に戻り、u-PAの関与自体を検討する目的で、u-PAの阻害剤存在下でのプラスミノーゲン依存性に増殖するA/WSN/33の増殖を検討した。u-PAの阻害剤として知られる、suramin、amiloride、u-PA-ATFは、細胞に傷害を起こさない最高濃度においても、プラスミノーゲン存在下でのA/WSN/33の増殖に影響を与えなかった。この実験では、適切な陽性コントロールを設定できないことが問題であるが、この結果は、インフルエンザウイルス感染に起因するプラスミノーゲン活性化はu-PA非依存性である可能性を示唆した。この説明としてNAの分子自体がアクチベーターとしての機能を有することが考えられる。この仮説によれば、プラスミノーゲン受容体として機能しうる構造を持つ他のウイルス由来NAが、プラスミノーゲン活性化に関与しないという結果を、異なるNA分子のアクチベーター機能の有無で説明できる。このため、蛍光物質で標識したプラスミノーゲンを用いて、NAとの結合を確認した結果、プラスミノーゲンとの結合はその活性化に必須ではないことが解った。以上の結果より、インフルエンザウイルスのNAはプラスミノーゲン活性化に関して、単なる受容体以外の未だ不明な機能を持つことが予想され、そのようなNAの細胞表面での発現は、細胞外マトリックスの構築に影響を与える可能性が考えられた。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)