アイチウイルスのゲノム複製とencapsidationの分子機構
Project/Area Number |
16790275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
佐々木 潤 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (70319268)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | ピコルナウイルス / ゲノム複製 / ステム-ループ構造 / シュードノット構造 / 非翻訳領域 / ウイルスRNAの複製 |
Research Abstract |
アイチウイルスは急性胃腸炎関連のピコルナウイルスである。本研究はアイチウイルスゲノム5'および3'非翻訳領域の、ウイルスRNA複製とencapsidationにおける役割を明らかにすることを目的としている。本年度はウイルス複製におけるゲノム3'非翻訳領域の役割の解析およびゲノム5'末端領域と相互作用するタンパク質の探索を行った。 3'非翻訳領域の様々な部位に欠失変異を導入したレプリコンを作成し、培養細胞での複製能を解析した結果、3'非翻訳領域がゲノムRNAの複製に必須であることが示された。さらに無細胞ウイルス産生システムを利用した解析により、3'非翻訳領域の欠失がマイナス鎖合成効率を低下させること、また、プラス鎖RNAの合成は開始されるものの、完全長プラス鎖RNAが合成されないことが明らかになった。 一方、ゲルシフトアッセイおよびノースウェスタン解析により、ゲノム5'末端領域と相互作用するタンパク質として、ウイルスタンパク質3ABCおよび約80kDaの宿主タンパク質を見出した。マイナス鎖合成を妨げる変異を導入したRNAをプローブとして用いた場合には、これらのタンパク質との結合効率は低下した。ポリオウイルスの3ABタンパク質はゲノム5'末端と相互作用することが報告されているが、アイチウイルスの場合、結合能は認められなかった。また、80kDa宿主タンパク質に関しても、ポリオウイルスのゲノム5'末端と相互作用する宿主タンパク質PCBP2とは分子量が異なっていた。以上の結果は、本ウイルス独自の複製機構を示唆するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)