Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究は癌特異的に高発現している抗原を選び出し、それらの抗原についてヒト細胞傷害性T細胞(CTL)およびヘルパーT(Th)細胞に腫瘍拒絶を誘導するペプチドを同定し、さらにマウスを用いて腫瘍抗原による抗腫瘍免疫応答のin vivo誘導効果について検討することを目的とする。我々がSEREX法で同定した新規癌精巣(Cancer-Testis : CT)抗原KM-HN-1は舌、甲状腺、胃および膵臓癌で発現し、分裂期には染色体に局在した。多様な癌の患者血清中に、健常人より有意に高頻度で抗KM-HN-1抗体が検出された。さらにHLA-A24により提示されたKM-HN-1ペプチドに特異的、かつ癌細胞株に細胞傷害活性を示すヒトCTLを誘導でき、抗腫瘍免疫療法への応用が有望と期待された。また、我々がcDNAマイクロアレイのデータより同定したGlypican-3(GPC3)の肝細胞癌(HCC)の腫瘍マーカーとしての有用性は既に示していたが、メラノーマの腫瘍マーカーになることも証明した。さらに、ヒトとマウスのGPC3に共通なペプチドを用いて、GPC3発現癌細胞を傷害するCTLをヒトおよびマウスにおいて誘導でき、HCCならびにメラノーマの新しい腫瘍マーカー、および腫瘍拒絶抗原としてのGPC3の有用性を示した。また、食道癌のcDNAマイクロアレイのデータより、食道癌特異的に高発現する新規癌抗原Proliferation potential-related protein (PP-RP)を同定した。PP-RPは癌化や悪性度の高さに関与していると考えられ、PP-RPの発現量が非常に高い群は、予後不良であることを発見し、PP-RPの発現量が食道癌の予後予測因子として使用できる可能性を示した。さらにペプチド特異的かつPP-RPおよびHLA-A24陽性癌細胞株を傷害するヒトCTLの誘導が食道癌患者で確認され、免疫療法への応用の可能性が示された。
All 2004
All Journal Article (7 results) Patent(Industrial Property Rights) (2 results)
Clin.Cancer Res. 10
Pages: 8630-8640
Pages: 6612-6621
Pages: 6437-6448
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実験医学 22・5
Pages: 215-220
臨床免疫 41・4
Pages: 369-378
医学をゲノムする(第27回阿蘇シンポジウム記録2003)
Pages: 115-127