フルオロピリミジン系癌化学療法剤によるテーラーメイド治療実現のための基礎研究
Project/Area Number |
16790311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Applied pharmacology
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Research Institution | Chiba Institute of Science (2005-2006) Meijo University (2004) |
Principal Investigator |
岡本 能弘 千葉科学大学, 薬学部, 准教授 (40261036)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 5-フルオロウラシル / ジヒドロピリミジンデヒドロゲ / ジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ |
Research Abstract |
フルオロピリミジン(FU)系化学療法剤は、わが国で最も使用頻度の高い抗癌剤である。体内に投与されたFUは、速やかにその分解酵素であるDihydropyrimidine dehydrogenese(DPD)により分解され、体外に排泄される。従ってDPDはFUの体内薬物動態を左右し、その抗腫瘍効果を規定する重要な因子の一つである。一方、先天的にDPD活性が欠損/低下したポピュレーションの存在が報告されている。これらDPDを欠損/低下した癌患者ではFUによる治療を行なった場合、極めて重篤なFUの副作用が起こる。しかもこのような患者はFUによる化学療法を開始し、重篤な副作用が発現して初めて、その酵素欠損が判明するものであり、癌化学療法の大きな問題となっている。本研究の目的は、特殊な機器・装置を用いず、簡便に癌患者のDPD欠損の原因であるDPDをコードする遺伝子の多型検出方法を開発することである。 本研究にてNon-RI SSCP法によるDPYD遺伝子多型検索法を確立した。本法はこれまでに報告されているDPYD遺伝子多型21種のうち20種が検出可能であった。さらに現在までにこの方法を用いて、健常な日本人36名のDPYD遺伝子の多型を検索した。その結果、34名(94%)が何らかの多型を有していることが判明した。従来考えられているものより、多い頻度でDPYD遺伝子上に遺伝子多型が存在することが明らかとなった。また、この調査の中で日本人に新規なミスセンス変異Thr768Lysを発見した。この変異はアミノ酸置換を導くため、酵素活性に変化が生じることが推測される。 本研究で確立した遺伝子多型検出法はFUのファーマコゲノミクス研究に有用であり、さらに日本人のDPYD遺伝子多型に関する情報は新規な知見である。今後、さらに検体数を増やし、日本人DPYD遺伝子多型の全貌を明らかにするとともに新規ミスセンス変異Thr768Lysの活性に及ぼす影響を明らかにする予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)