p53下流遺伝子の発現調節機構の解析と、それを応用した癌の分子標的予防法の開発
Project/Area Number |
16790326
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hygiene
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
吉田 達士 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (80315936)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
|
Keywords | p53 / DR5 / 悪性腫瘍 / TRAIL / アピゲニン / プロテアソーム阻害剤 / MG132 / 分子標的予防 / 酪酸 / ヒストン脱アセチル化酸素阻害剤 / TSA / SAHA |
Research Abstract |
p53は約半数の悪性腫瘍で変異がみられる重要な癌抑制遺伝子である。p53下流遺伝子の発現を調節することは、失活したp53の機能を相補し効果的な癌予防につながると考えられる。そこで、p53下流遺伝子の一つであるDeath Receptor 5(DR5)に着目し、DR5発現誘導剤の探索を行った。 1)プロテアソーム阻害剤によるDR5発現誘導 プロテアソーム阻害剤は抗腫瘍活性を持ち、その一部は米国において抗癌剤として認可されている。プロテアソーム阻害剤の一つであるMG132によるDR5発現誘導メカニズムを解析し、転写因子CHOPがDR5遺伝子のプロモーターに直接結合して、転写レベルで制御していることを見出した。MG132とDR5のリガンドTRAILとの併用は、p53非依存的にホルモン抵抗性前立腺癌細胞にアポトーシスを誘導できることを見出した(Cancer Res, Yoshida et al.)。 2)食品由来フラボノイドによるDR5発現誘導 カモミールやシソに含まれるフラボノイドの一つであるアピゲニンがT細胞白血病株であるJurkat細胞においてDR5の発現を誘導することを見出した。アピゲニンはDR5タンパクの安定化を引き起こしていると考えられた。また、アピゲニンはTRAILによるアポトーシスをJurkat細胞で増強したが、健常人から採取した末梢血単核球では増強せず、癌細胞特異的に細胞死を誘導できる可能性が示唆された(Mol Cancer Ther, Horinaka et al.)。 この様に抗癌剤候補物質や発癌予防効果を有する食品成分などがp53非依存的にDR5発現を誘導し、TRAILとの併用により抗癌効果を示すことを明らかにできた。これらの結果は、DR5を標的とした分子標的予防法の確立につながると考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(15 results)