新しい動脈壁硬化指標としてのAugmentation Indexの有用性
Project/Area Number |
16790336
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Public health/Health science
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
田原 康玄 愛媛大学, 医学部, 講師 (00268749)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 高血圧 / 動脈硬化 / Augmentation index / 老化 / 予防医学 / 循環器疾患 / 予後予測 |
Research Abstract |
愛媛県下の一般企業従業員を対象に、前年度までにAugmentation index(AI)の測定を行った約600例について追跡調査を行っている。急性心筋梗塞、脳卒中の発症に関する調査を、平成18年度は7月と12月の定期健診時に行った。退職あるいは移籍による健診未受診者については、別に問診票を郵送して調査を行っている。健診日程の都合から年度内に発症者の確定と医療機関における採録が終了しなかったが、今後も継続して調査を行い、特にAIの予後予測能について検討していく計画である。3年間での発症が10例に満たなかったことから、縦断的な解析は行えなかったが、今後の疫学研究のベースとなる貴重なデータが蓄積された。一方、横断面での検討では、AIが片頭痛の有無と相関することを高齢一般地域住民を対象とした解析から明らかにした。片頭痛は若年女性において高頻度に認められ、加齢に伴ってその頻度は減少する。高齢者においても、若年者ほどではないものの、一定の頻度で観察される。最近になって片頭痛が動脈硬化と相関することを示唆する成績が報告された。本研究において、一般地域住民ならびに愛媛大学医学部附属病院抗加齢ドック受診者を対象に、片頭痛とAIとの相関を検討したところ、片頭痛例(n=30,97±12%)では、その他の頭痛群(n=102,89±11%)、頭痛なし群(n=140,88±13%)に比しAIが有意に高値であった(p<0.001)。この相関は年齢や身長、心拍数など他の交絡因子を調整しても同様であった(β=0.154,p=0.002)。高齢者片頭痛が将来の動脈硬化性疾患のマーカーとなる可能性を示した貴重な成績といえる。メンタルストレスのAIに対する影響を検討した成績からは、健常大学生においても、軽度の肥満は血管床の過剰なストレス応答性を来たしていることをAIを指標とした検討から明らかとした。安静時、ストレス負荷、回復期でAIと血圧とを評価したところ、非肥満例(n=73)ではストレス下でAIの低下(54±12,51±12,53±12%)を来すのに対し、肥満例(BMI25kg/m2以上、13例)では逆に増加していた(54±11,56±13,52±11%,p=0.032)。同様に血圧も肥満例でストレス下の上昇度が大きく、特にAI高値の影響を受けて収縮期血圧後方成分の増加も顕著であった。後方成分は中心血圧の変化と相関することから、肥満と心血管系イベントととの相関の一つに、AIの増加が関与していることが示された。今後もこのような横断面でのAIに関する検討を継続するとともに、心血管系疾患に対する縦断的検討も行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)