Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
手島(2002)や手島・原口(2003)は,先行研究で用いられた尺度を参考に,養育者が安心して育児ができる環境を構築するために,子どもの発達過程に応じた養育者の育児ストレスや育児不安,育児ストレスに影響を与える個人的・社会的要因を短時間に把握できる質問紙を作成し,4カ月児の養育者と1歳6カ月児の養育者を対象に調査を実施してきた. 平成17年度の研究実績の概要を下記に示す. 1.育児ストレッサーは発達段階によって異なると考えられることから,発達段階に応じた育児ストレッサーをモデルに組み,育児ストレスの縦断的変化について分析した.その結果,全育児不安,育児感情,育児時間を従属変数としたときのモデルの適合はよかったが,中核的育児不安を従属変数としたときのモデルの適合があまりよくなかった.4カ月児で育児ストレッサーや育児不安の高い養育者は,1歳6カ月児でも育児ストレッサーや育児不安が高かった. 2.A町における養育者の育児支援システムの方向性を探り,乳幼児期の養育者が求めている育児支援を明らかにするために,一連の横断的・縦断的調査の中から自由記述の記載を分析した.その結果,4カ月児健康診査および1歳6カ月児健康診査ともに,「居場所作り」,「育児ヘルプ」,「精神的サポート」,「育児環境」などに分類することができた. 3.育児ストレス尺度全体の構造について再検討した結果,夫からの精神的サポートがないと感じている養育者(4カ月児)や夫が育児に参加すべきであると思っている養育者(1歳6カ月児)ほど,育児に時間を追われていると考えられる. 4.A町における養育者の育児支援システムの方向性を探るため,面接の同意が得られた9名に対して,インタビューを実施した.その結果,乳幼児を抱える養育者は,虐待予防のためには,安心して育児における愚痴や感情を話すことができる場が重要であることを認識していた.
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