Project/Area Number |
16790368
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Legal medicine
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Research Institution | National Research Institute of Police Science |
Principal Investigator |
柘 浩一郎 科学警察研究所, 法科学第三部, 主任研究官 (90356204)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | サリン / コリンエステラーゼ / 神経ガス / アダクト / 活性中心 / LC-MS / 中毒 / 有機リン系農薬 |
Research Abstract |
本年度は、神経ガス曝露を証明する目的で、昨年度のサリンアダクトの分析に引き続き、ヒト血液中のブチリルコリンエステラーゼ-神経ガスアダクトのLC-MS/MSによる分析法を検討した。 精製ヒトブチリルコリンエステラーゼ(BuChE)に神経ガスを添加し、アダクトを形成した。SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動の後BuChEに相当する86kDa付近のバンドを切り出し、キモトリプシンを用いてin gel digestionを行い、その後、Micromass Q-TOF2およびAgilent LC-MSD Trapを用いたLC-MS分析を行った。 サリン、ソマン、VXアダクトの消化物のLC-MSの結果、m/z1068.5,1054.5,1110.5の抽出イオンクロマトグラム(EIC)上、22.3分、20.1分、26.2分にそれぞれ新たにピークが観測され、アルキルメチルホスホニル化したペプチド断片と認められた。ソマンアダクトについてはm/z1026.5のEIC上、21.9分にもピークが観測され、aging産物であると認められた。MS/MSスペクトルを測定したところ、プレカーサイオンを除いてほぼ同一のフラグメントパターンが得られた。このことから、MS/MS分析のコリジョンに際しては、まずアルキルメチルホスホン酸(またはメチルホスホン酸)部位が脱離することが判明した。 ヒト血漿にVXを加え、精製を行った試料からもVX付加ペプチドを検出した。血漿に低濃度のVXを加え部分的にBuChE活性を阻害した試料を作成し、5mLの血漿試料から精製を行った場合に、VXアダクトペプチド断片が検出可能なVXの濃度およびその際の最低検出可能活性阻害度(Minimum Detectable Inhibition Level)を概算したところ、約2×10-8M、1%活性阻害であった。
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