Project/Area Number |
16790420
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
三明 淳一朗 鳥取大学, 医学部, 助手 (40372677)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | イオンチャネル / 心筋細胞分化 / ペースメーカー / 胚性幹細胞細胞 / ES細胞 / ペースメーカー細胞 / 心筋分化 |
Research Abstract |
本研究では未分化マウス胚性幹細胞(ES)細胞を用いてそのイオンチャンネルを修飾する事で生物学的ペースメーカー細胞を作成する事を目的とする。昨年度はES細胞から胚様体(EB)形成法にて分化した心筋を作成し、さらにGFP発現をレポーターとしてES細胞由来心筋細胞を選択的に単離採取できるシステムを確立した。本年度はさらにこの系を用いて自動能を有するES由来心筋細胞の電気生埋学的特性とその分化段階依存性の変化を検討した。 ES細胞由来の作業筋型心筋細胞とペースメーカー型心筋細胞の生化学的・生理学的特性の検討 分化誘導後8日目まで指関数的に拍動EBが増加し、非拍動EBに比してそのトロポミオシン発現は有意に増加した。拍動EBの受容体発現を薬理学的に検討するとβ_1-adorenoceptor受容体、M_2-ムスカリン受容体、A1-プリン受容体が発現していたがβ_2-adrenoceptor受容体発現は弱かった。さらに拍動EBはL型・T型Caチャネル、I_fチャネルおよびNaチャネルの発現がその自動能形成に重要であった。GFP発現をレポーターとしてソートされた細胞はほぼ100%の細胞がトロポミオシンを発現しES由来心筋細胞を選別採取した。拍動EBからの酵素処理後の単一自動能細胞またはソート後単一自動能細胞に関して各分化段階での電気生理学的特性を調べた結果、分化後期(培養10日目以降)にはES由来心筋細胞には膜電位が浅くVmaxが小さいCaチャンネル依存性のペースメーカー型細胞群と膜電位が深くVmaxが大きいNaチャンネル依存性の作業心筋型細胞群が存在した。ペースメーカー型細胞のイオンチャネル阻害剤への感受性を分化段階で検討し、「全てのペースメーカー型細胞がT型カルシウムチャネルとペースメーカーチャネルを発現していた。 ペースメーカー型細胞におけるT型カルシウムチャネルの分化段階におけるサブタイプの発現様式を電気生理学的に検討した結果、分化段階におけるT型カルシウムチャネル電流密度の大きさは自動能を有するペースメーカー型細胞では変化がなかったがサブタイプの変移が認められた。すなわち分化初期のT型カルシウムチャネル電流はニッケル感受性を示したが、分化後期にはニッケル非感受性を示した。この変化は転写レベルにおける変化による結果と考えられ、EBにおける遺伝子発現レベルも同様に初期のニッケル感受性Cav3.2遺伝子の発現優位から、分化後期のニッケル非感受性Cav3.1遺の発現優位に変移が認められた。一方、ペースメーカーチャネルは遺伝子、電流密度どもに分化するに従い漸増する結果が得られ、4つあるサブタイプの間での優位性は遺伝子発現レベルで変化が認められなかった。
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