心臓交感神経発達においてエンドセリン-1-神経成長因子が果たす役割の解明
Project/Area Number |
16790431
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
家田 真樹 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70296557)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
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Keywords | 心臓 / 自律神経 / 神経成長因子 / エンドセリン-1 / トランスジェニックマウス / 心臓交感神経 |
Research Abstract |
私は本研究費により心臓交感神経系の形態形成に関する研究を行い、その成果をJ Clin Invest誌(Ieda M et al, 113:1-10,2004)に論文発表した。 心臓は自律神経支配を豊富に受け、その活動は自律神経系により綿密に調節されている。交感神経支配が心臓にとって重要であることはよく知られているが、その神経支配形成に関与する分子機構はほとんど明らかとなっていなかった。心筋細胞は神経成長因子(NGF)を発現し、このNGFが交感神経を星状神経節より心臓に呼び込む働きをしていた。そして心筋細胞においてこのNGFの発現を調節しているのは心筋自身が分泌するエンドセリン-1(ET-1)であることをin vitroの実験で明らかとした。またこのET-1刺激によるNGF誘導はETA受容体、Giβγ、PKC、src family、EGFR、ERK、p38MAPKを介し、PKA、PI3K、CaMKを介さないことが、シグナル伝達物質の特異的阻害薬、ドミナントネガティブアデノウイルス、プラスミドを使用した実験より明らかとなった。またNGFプロモーター領域にはAP-1、C/EBP・があるが、双方ともET-1-NGF経路に関与することがルシフェラーゼアッセイにより示された。 次に実際に生体心においてET-1はNGFを制御するか、またET-1-NGF経路が心臓交感神経系の形成に与える影響などを調べるため、ET-1遺伝子ノックアウトマウスを検討した。するとET-1遺伝子ノックアウトマウスでは心筋でのNGFの発現が減少していた。そのため星状神経節から心臓に向かって伸長する交感神経の軸索は減少し、星状神経節では神経細胞体がアポトーシスを起こし細胞数も減少していた。これに対し、心臓特異的にNGFを発現するトランスジェニックマウスを作成し、エンドセリンのノックアウトマウスと掛け合わせると低形成であった心臓の交感神経および星状神経節は形態・機能ともに回復した。これらの結果より心臓の交感神経は心筋細胞が分泌するET-1-NGF経路により制御されていることを解明できた。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)