新規リン調節経路(PFB)の発見と異所性石灰化抑制機構の解明
Project/Area Number |
16790464
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 美紀子 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (50314852)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 破骨細胞 / リン / リン酸トランスポーター / 異所性石灰化 / FGF-23 |
Research Abstract |
長期透析患者では高リン血症が高頻度に観察され、異所性石灰化による心血管病変が死因の50%を占めていることから、その予防が生命予後に重要な意味を持つ。高リン血症に起因して異所性石灰化をもたらすPFB(PHEX-FGF23-Fetuin-BRC)経路を解明する目的で、破骨細胞におけるリン感受分子(リントランスポーター)の同定と、その代謝メカニズムについての解明を行なった。 破骨細胞に存在するリン酸輸送分子を同定するために、^<32>Pラベル体を用いた取り込み実験により破骨細胞のリン輸送能の特性を検討した結果、これまで報告されているNa/Piトランスポーターとは異なる、酸性域で活性を持つ新規分子の存在を明らかにした(Am J Physiol Cell Physio1,288(4)C921-31,2005)。また、破骨細胞には特異的なリン酸排出機構が存在することを明らかにし(2005年 骨代謝学会)、PFBにおける破骨細胞の重要性を明らかにした。本分子の実体解明を行うために、トランスポーターデータベースによる候補分子の探索および、破骨細胞活性化前後でのマイクロアレイにより候補分子を探索し、数個の候補分子を同定した。さらに、近年新たに同定されたリン調節ホルモンFGF-23の調節機構を転写レベルで明らかにし、FGF-23のPFBにおける役割を明らかにした(Am J Physiol Endocrinol Metab,288(6)E1101-E1109,2005)。これらのことより、骨、特に破骨細胞は生体内リン代謝調節において重要な役割の一端担う器官であり、他の組織にはない非常にユニークなシステムを持つことが明らかとなった。今後の更なる解析により慢性透析患者の予後を改善できる異所性石灰化阻害剤の開発につながるとともに生体内リン代謝調節機構を明らかにするものと期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(24 results)