腎臓におけるV1a受容体を介した抗利尿ホルモン作用制御の機序の解明と治療法の研究
Project/Area Number |
16790466
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Kidney internal medicine
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 裕史 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00363531)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | V1a受容体 / V2受容体 / プロモーター活性 / 転写因子 / PKC |
Research Abstract |
まずPCRクローニングしたV1a受容体のcDNAを発現ベクターにサブクローニングし、このベクターを培養細胞(LLCPK1)にトランスフェクションした。ベクターの細胞へ導入にはFlip-Inシステムを用い、V1a受容体の恒常的な強制発現を検討した。細胞ではRT-PCR及びウェスタンブロット法にてV1a受容体が強発現していることが確認された。次にラットV2受容体のプロモーターをクローニングし、V1a受容体を強制発現させた培養細胞にトランスフェクションし、プロモーター活性を測定した。この検討でV1a受容体の発現がV2受容体のプロモーター活性を抑制することが判明した。培養細胞に実際にバゾプレッシンを作用させることでV2受容体の発現が制御されることも確認した。この作用はV1a受容体に特異的な拮抗薬にて抑制され、V2受容体の拮抗薬では抑制されず、V2受容体発現が抗利尿ホルモンのV1a受容体を介して直接制御されることが明らかとなった。またプロモーターベクターで30種類以上に及ぶdeletion seriesやmutationを作成し、V2受容体プロモーター活性制御において、V1a受容体による転写活性抑制の責任領域(consensus sequence)の解明を検討した。これにより転写領域の-600bp〜-50bpまでの塩基配列が責任領域であることが明らかとなった。 さらに、V1a受容体の情報伝達の下流にはPKCの活性化があり、この情報伝達経路がV2受容体発現を制御している可能性が考えられるため、PKC活性化薬(PMA)及び阻害薬(スタウロスポリン)のV2受容体のプロモーター活性への影響を検討した。V2受容体プロモーターをトランスフェクションした細胞にPMAを作用させるとV2受容体プロモーター活性は約50%に抑制され、さらにスタウロスポリンを追加投与すると、PMAによるプロモーター活性抑制が解除されることが認められた。これら薬剤によるプロモーター活性への作用は用量依存性であった。これらの結果よりV1a受容体及びPKC情報伝達系を介してV2受容体の発現が抑制されることが示唆された。またプロモーター活性の測定に用いる細胞としては、集合尿細管由来の培養細胞を用いるのが理想的であること、また培養細胞としてよりvivoに近い状態を得るため、マウスの腎臓からmicrodissection法を用いてネフロンセグメントを分離し、プライマリーカルチャーを行い、細胞系列の確立にも成功した。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)