成人T細胞白血病におけるエピジェネティック発がん機構の解析と診断・治療への応用
Project/Area Number |
16790535
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Hematology
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安永 純一朗 京都大学, ウイルス研究所, 助手 (40362404)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
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Keywords | HTLV-I / ATL / DNA methylation / KLF4 / EGR3 / MEL1S / provirus / epigenetics / apoptosis |
Research Abstract |
成人T細胞白血病(adult T-cell leukemia : ATL)の腫瘍細胞において異常メチル化およびそれによる発現異常を来している宿主遺伝子の同定を行い、発がんとの関与について解析した。EGR3はFas-FasLシグナルを介してATL細胞のアポトーシス回避に関与することを報告した(Yasunaga et al, Cancer Res, 2004)。KLF4に関しては、KLF4トランスジェニックマウスでは対照マウスと比較し胸腺細胞が減少する傾向があることを見出したが、その機序は現時点では不明である(未発表)。MEL1SはATL細胞のTGF-β抵抗性に関与することを報告し(Yoshida et al, Blood, 2004)、トランスジェニックマウスを作成、解析したが現時点では特記すべき表現型は観察されていない。 一方、プロウイルスのエピジェネティックな変化とそれによるウイルス遺伝子の発現抑制は宿主遺伝子の異常とともに発がんに重要な因子であると考えられた。HTLV-IプロウイルスにおけるDNAメチル化を解析したところ、キャリアに比べATLでは5'LTRが高メチル化されていることが多いことが判明した(Taniguchi et al, Retrovirology, 2005)。これは5'LTRが高メチル化されウイルス遺伝子転写が抑制されているATL細胞が発がんの過程で選択されていることを示している。 本研究により、宿主側遺伝子のエピジェネティック変化と発現変化はHTLV-I感染細胞にアポトーシス抵抗性を付与し、一方でウイルス側の変化はウイルス遺伝子の転写抑制を介して宿主免疫からの回避を可能とすることが示唆された。これらのエピジェネティック異常はATL発症における多段階発がんの一因子であると考えられ、病型診断や発症、予後の予測に応用可能であると思われる。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)