Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
C3H10T1/2(10T1/2)細胞と10T1/2細胞をアザシチジンによって処理することにより得られた脂肪前駆細胞株A54細胞と筋芽細胞株M1601細胞は骨髄間葉系幹細胞の分化機構やその生物学的役割を解析するための良いモデルと考えられる。我々は間葉系幹細胞の分化誘導、未分化維持に関わる分子を探索する目的で、これらの細胞の遺伝子発現プロフィリングを行った。10T1/2細胞ではA54細胞やM1601細胞に比し、CD90、Activin、Dlk、Novなど、105個の遺伝子の発現上昇を認めた。また、これらの遺伝子のいくつかは、Real-Time PCRやflowcytometryにおいても同様の結果が確認された。A54細胞においては201個の遺伝子の発現上昇が認められた。これらにはC/EBPα、C/EBPδ、PARR-γといった脂肪細胞分化に関わる遺伝子の他、CXCL1、CCL2などのケモカインの発現が亢進していた。更に造血支持能に重要な因子であるSCFやSDF-1の発現も亢進しており、A54細胞が他の2つの細胞株より高い造血支持能を有することに合致し、生理的な造血微小環境おいても脂肪前駆細胞が重要な役割を果たしていると考えられた。また、A54細胞を脂肪分化誘導するとC/EBPα、C/EBPδ、PARR-γなどの遺伝子発現レベルはほとんど変化しないが、SCFやSDF-1の発現レベルは分化に伴い低下した。最近、造血幹細胞の自己複製には骨芽細胞が重要な働きをしていることが報告されており、造血支持能を維持するためにはある程度分化した前駆細胞が重要である可能性が考えられた。
All 2004 Other
All Journal Article (2 results)
Viral Immunology 17(2)
Pages: 234-251
Blood (発表予定)(印刷中)