Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
制御性T細胞であるCD25+CD4+T細胞の発生・分化・抑制をつかさどる転写因子は、Fox (forhead box)ファミリーに属するFOXP3(マウスではFoxp3)であることが2003年報告された。2005年、我々はCD25+CD4+T細胞の新たな作用として、抗原提示細胞からのIL-12の産生を抑制すること、抗原提示細胞上のB7分子(CD80とCD86)の発現を抑制することを報告した。またCD25+CD4+T細胞は以前からアナジーな細胞であると報告されていたにもかかわらず、CD25-CD4+T細胞存在下において、抗CD3抗体刺激では増殖し、抗IL-2抗体ではその増殖が抑制された。このことから、制御性T細胞は、感染抗原が侵入すると他のT細胞から分泌されるIL-2により増殖可能になり、強い抑制能を獲得するというネガティブフィードバックの一端を担っていることを提示した。現在、in vitroにおける制御性T細胞の異なるサイトカインに対する影響を検討している。そして、このような免疫抑制作用をもつ制御性T細胞が、免疫異常を本態とする全身性エリテマトーデスに有効かどうか、MRL/lprマウス(全身性エリテマトーデスモデルマウス)を用い、試みている。まず、Foxp3をレトロウイルスベクターに組み込み、パッケージング細胞にて感染性ウイルスを産生させる。しかしこの時点で、効率が悪かったため、効率を上げるべくいろいろと条件を変え、実験を行った。そして効率が40%程度とやや改善したため、それをCD4+T細胞へ導入し、制御性T細胞へ転換させ、MRL/lprマウスに腹腔内投与した。12週のMRL/lprマウスに投与する実験を行っており、現在進行形である。
All 2005
All Journal Article (2 results)
Biochemical and Biophysical Research Communication 330(1)
Pages: 226-232
Biochemical and Biophysical Research Communication 330