Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
本研究の目的は、Bach2遺伝子の異常が実際ヒトの悪性腫瘍の発症原因となっているかを明らかにしていくことにある。以前我々はB細胞性悪性リンパ腫の検体で、マイクロサテライトマーカーを用いて正常組織と比しその20%という高確率でBach2遺伝子のLOH(loss of heterozygosity)を認め、報告した。また、Bach2の過剰発現は薬剤に対する感受性を亢進させるということも報告した。一方、非ホジキンリンパ腫においては、Bach2の過剰な発現は予後がよいことと相関するという報告がされている。今回、B細胞性白血病の患者さんの臨床検体で、Bach2の発現をreal-time PCR法で半定量的に解析した。40例ほどの解析を行ったが、Bach2の発現量と予後との相関は認めなかった。よって同じB細胞性起源でも、白血病の発症においては悪性リンパ腫と異なった癌遺伝子、あるいは癌抑制遺伝子の関与が考えられた。
All 2003
All Journal Article (1 results)
Blood 102・9
Pages: 3317-3322