ノイラミニダーゼ阻害薬を用いたインフルエンザの発症予防
Project/Area Number |
16790591
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Pediatrics
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
新庄 正宜 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20276314)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2004: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | インフルエンザ / ノイラミニダーゼ阻害薬 / オセルタミビル / 接触後予防 / 院内感染 / 小児 / postexposure prophylaxis / 予防内服 / poslexposure prophylaxis |
Research Abstract |
【方法】医療従事者を発端としたインフルエンザの院内発症事例において、医療従事者に対するオセルタミビルの接触後予防内服効果を検討した。 【事例】2005年5月15日以降、外科病棟において、ワクチン接種歴のある複数の医療従事者がA型インフルエンザに罹患した。18日から、一時的な病院運営制限、医療従事者全員へのマスク着用などの緊急対策に加えて、発症者と接触した医療従事者および患者へ抗インフルエンザ薬(オセルタミビル、ザナミビル)の予防投与を行ったところ、新規発生はすみやかに減少し、24日以降認められなくなった。最終的に、39名(医療従事者26名、患者13名)がインフルエンザウイルス抗原陽性、その他23名の医療従事者が発熱のため就業停止となったが、全員軽快した。抗原解析の結果、今回分離されたウイルスは、ワクチン株から軽度変異したA香港型(H3N2)であることが判明した。なお、本事例においては、当初から保健所・東京都・厚生労働省に報告し指示を仰いだ。 【結果】インフルエンザ抗原陽性あるいは発熱のため就業停止となった医療従事者は、予防内服を行わなかった44名中43名(主に18日以前)、行った646名中6名(18日以降)であった(p<0.001)。 【考察】本事例において、接触後予防(postexposure prophylaxis)として医療従事者がノイラミニダーゼ阻害薬を内服することは、効果的であると考えられた。今回は、(1)ワクチン接種者から拡大したこと、(2)ワクチン効果の望めない時期に発生したこと、(3)変異型ウイルスが原因であったことから、やむを得ず予防内服を実施したが、予防内服の適応の可否は乱用防止のためその都度慎重に検討されるべきである。また、感染拡大当初はマスク着用などの一般的な感染対策が徹底されていなかったために、予防内服の効果は過大評価された可能性がある。 以上の主旨を第21回日本環境感染学会総会のシンポジウム(2006年2月25日、台場)において発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)