Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Research Abstract |
チロシナーゼとチロシナーゼ関連蛋白質(Tyrosinase-related protein, TYRP)は,メラニン生合成に必要な糖蛋白質である.TYRPsには,二種のアイソフォーム(TYRP-1,TYRP-2)が存在する。チロシナーゼは,チロシンからドーパキノンへの酸化還元反応(メラニン生合成初期の律速段階)で機能する重要な酵素である.一方,TYRP-2に比べて存在量が多いTYRP-1は,ジヒドロキシインド-ルカルボン酸(DHICA)オキシダーゼ活性を有し,チロシナーゼと安定した複合体を形成し,メラノソームにおけるユーメラニン産生を亢進すると考えられている.また,カルネキシンとの相互作用を介して,トランスゴルジネットワーク(TGN)から,endosomal compartment(早期および後期エンドソーム)を通過しメラノソームへ輸送される可能性も示唆されている,色素性悪性黒色腫細胞株においてAP-1とTYRP-1の共局在が電子顕微鏡によって明らかにされ,小胞輸送への関与が指摘されている,我々はこれまで,TGNからendosomal compartmentへの輸送時に,TYRP-1のC末端側dileucine motifが重要であること,TYRP-1とカチオン非依存性マンノース6リン酸受容体(Cl-M6PR)が共局在することを示した.しかし,TYRP-1の小胞輸送の分子的機構は不明である.アダプター蛋白質(AP複合体)とGGA(Golgi-associated gamma-adaptin-related ADP-ribosylation factor -binding proteins)蛋白質がクラスリン被覆小胞の制御を行い,各種蛋白質の小胞輸送に重要な働きをしていることが最近示唆されている.そこで,我々は,小胞輸送の初期の段階において,TYRP-1が機能を持つ可能性を考え、AP-1,GGAおよびCl-M6PRと共同して働くかどうかを検討するために,AP-1とTYRP-1の相互作用,および,TYRP-1,AP-1,GGA, Cl-M6PRの細胞内局在を検討した. MM418細胞でAP-1はTYRP-1抗体で共沈し、TYRP-1はAP-1と直接結合することが示唆された,また,内在性TYRP-1を発現しないSKmel-24細胞で発現したTYRP-1が核周囲で,AP-1,クラスリン,Cl-M6PRおよびGGA3と共局在することが示された.しかし,dileucine motifに変異を持つmutant TYRP-1(Leu514Ala)との共局在は認められなかった.更に,SKmel-24細胞で発現したFlag融合野生株TYRP-1も,AP-1と相互作用を示したが,mutant TYRP-1は,AP-1と相互作用を認めなかった.SKmel-24においてGGA1-3のアイソフォームはいずれも,API, M6PRおよびTYRP-1と共局在を示した.GGAのC-端側機能ドメイン(GAEドメイン)は,Accessory proteinと相互作用を持ちAP-1との結合に関与すると報告されている.GAEドメインを欠いたMutant GGA3は,TYRP-1との共局在を認めずTYRP-1の局在を核周囲に限局させた.
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