磁気共鳴画像を用いた統合失調症発症前後における脳形態の縦断的研究
Project/Area Number |
16790678
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Psychiatric science
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Research Institution | University of Toyama (2005-2006) Toyama Medical and Pharmaceutical University (2004) |
Principal Investigator |
高橋 努 富山大学, 大学院医学薬学研究部, 助手 (60345577)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | 磁気共鳴画像 / 統合失調症 / 統合失調型障害 / 関心領域法 / 紡錘状回 / 精神病未治療期間 / 側頭平面 / 進行性変化 / 上側頭回 / 内側側頭葉構造 / 島回 / 前頭前野 / 総合失調症 / 総合失調型障害 / 全部帯状回 / ボクセル単位解析法 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、磁気共鳴画像(MRI)を用いて統合失調症患者、統合失調型障害患者、および健常者の脳形態の横断的比較を行った。また統合失調症発症から抗精神病薬投与開始までの期間(精神病未治療期間)と脳形態の関連を調べた。これらの結果を以下にまとめる。 1.関心領域法により統合失調症患者65例、統合失調型障害患者39例、および健常者72例の中側頭回、下側頭回、海馬傍回、紡錘状回の体積を比較したところ、紡錘状回前方部の体積減少は統合失調症に特異的であったが、紡錘状回後方部の体積減少は両疾患に共通であった(Takahashiら、2006)。中側頭回、下側頭回、および海馬傍回体積は3群間で差がなかった。これらの結果から、紡錘状回前方部の変化が統合失調症症状の顕在発症に関連する可能性が示唆された。 2.罹病期間の比較的短い統合失調症患者38例を対象に、精神病未治療期間と脳形態の関連を関心領域法により検討したところ、左側頭平面灰白質体積と精神病未治療期間の間に有意な負の相関を認めた(Takahashiら、印刷中)。すなわち統合失調症の発病初期、特に未治療期間における左側頭平面灰白質の進行性の病的過程が示唆された。 これらの横断的比較と並行して、脳形態の縦断的比較のため2年以上に渡る統合失調型障害患者の臨床的フォローアップを行ったが、経過中に統合失調症を発症した症例は20数例中わずか1例のみであった。すなわち発症前後の脳形態比較のためには、早期診断・早期治療のための診療ネットワークを整備したうえで、より幅広く前駆状態にある対象者を集める必要があると思われた。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)