Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
自殺の生物学的基盤を明らかにすることにより、自殺予防の有効な手段を構築することを目的とし、自殺に関与する遺伝子の同定を試みた。気分安定薬による自殺予防効果が報告されていることから、気分安定薬の作用点に着目した。1.代表的な気分安定薬であるリチウム、バルプロ酸の作用点となるglycogen synthase kinase 3 βならびにXBP1ループを形成する主要な遺伝子と自殺あるいは自殺の原因疾患である双極性障害との相関を調べたが、相関は見られなかった。結果は、それぞれ国際雑誌に掲載された。2.生体のストレス反応に重要な役割を果たす、renin-angiotensin系を構成する主要なタンパクの機能的多型と自殺の相関を見たところ、angiotensin converting enzymeの機能に変化をきたすと報告されている多型と自殺との間に相関が見られた。結果は国際誌に報告した。3.脳内の主要な神経伝達を担う、ノルアドレナリン、ドパミン神経系において重要な役割を果たすtyrosine hydroxylase遺伝子と自殺との相関研究を行ったが、関連は見られなかった。結果は国際誌に掲載された。4.セロトニン、ドパミンなどの三量体Gタンパク結合型受容体の細胞内情報伝達調節因子であるregulator of G protein signalingファミリーのうち、不安、攻撃性との関連が報告されているRGS2遺伝子と自殺との相関について、遺伝子多型をマーカーとして調べ、RGS2遺伝子と自殺との相関を見出した。さらに、自殺者死後脳の扁桃体ならびに前頭前野でRGS2のタンパクレベルが対照群に比べて、有意に増加していることを見出した。結果は、現在、国際誌に投稿中である。
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