抗腫瘍剤で誘発されるDNAトポイソメラーゼの選択的分解の機構と意義
Project/Area Number |
16790820
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Cerebral neurosurgery
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
佐野 訓明 岡山大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00294405)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,300,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | DNAトポイソメラーゼII / 抗腫瘍剤 / SUMO化 / ユビキチン・プロテアソーム系 / DNAトポイソメラーゼIIβ / ユビキチン・プロテアソーム / エトポシド |
Research Abstract |
脊椎動物のDNAトポイソメラーゼII(トポII)には,αとβの2種類のアイソザイムが存在している.トポIIαは分裂期の染色体分離に必須であることが分かっており,そのためエトポシドなどの抗腫瘍剤の標的分子となっている.トポIIβは細胞の分化に伴った遺伝子の発現に関与している.我々は複数の細胞で,トポIIの特異的阻害剤ICRF-193処理によってトポIIβが急速に分解されることを見いだした.トポIIがICRF-193で阻害されるとDNAの周囲にリング状にクランプされるため,転写や複製などの障害になることが予想される.この様なクロマチンストレスに対する応答反応として,クランプされたトポIIβを排除する為に分解機構があると考えられる. 本研究課題によって以下のことが明らかとなった. 1.この分解はユビキチン・プロテアソーム系による. 2.分解に先立ってトポIIβがユビキチン様タンパク質,SUMO-1/2/3やユビキチンによって修飾される. 3.E2酵素Ubc9をノックアウトしSUMOによる修飾を起きなくした場合,トポIIβの分解が抑制された. 4.トポIIβには2ヶ所にヒトからニワトリまで保存された潜在的SUMO化部位が予測された.(ラットでは、236,1259番目のリジン残基) 5.1259番目のリジンをアルギニンに置換した変異型トポIIβではSUMO化が阻害され,さらに分解も抑制された.他の部分の変異ではこのような現象は認められなかった. 6.阻害剤の処理によって、核小体に局在していたトポIIβは数分以内に核質に移動した。この現象は変異型トポIIβでも同様であった. これの結果から、1259番目のリジンのSUMO化がトポIIβ分解に必須であることが明らかとなった.
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)