関節リウマチ肺における血管内皮細胞の役割とトロンビンの関与
Project/Area Number |
16790857
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Orthopaedic surgery
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
金 恩京 日本医科大学, 老人病研究所, 講師 (10312068)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,100,000 (Direct Cost: ¥3,100,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | RA / 血管内皮細胞 / Thrombomodulin / Thrombin / VEGF / VEGFR / PARs / thrombomodulin / thrombin |
Research Abstract |
慢性関節リウマチ(RA)は関節滑膜炎を特徴とする全身の結合組織性疾患である。患者の約70%が間質性肺炎や胸膜病変などの肺疾患を合併し、RAの死因のトップを占める難治性疾患である。最近、正常肺組織において血管内皮細胞の活性化がRA進展に深く関与していることを報告されているが、具体的にどのような変化をもたらしているか、どのような役割を果たしているのかが分かっていない。われわれは、肺の血管内皮細胞はthrombinとその受容体であるprotease-activated reseptor(PAR)-1,-2により活性化し、DM合成能が上昇することを明らかにした。ヒトRA、の病理学的変化と血清学的変化とよく似たコラーゲン誘発性関節炎(CIA)モデルによりRA肺疾患モデルを作製して、RA肺の発症・進行のおける肺の血管内皮細胞の役割と血中トロンビンとPARsによる調節機構を明らかにすることが本研究の目的である。 まず、ヒトのRA肺を含む間質性肺炎であるUIP、NSIPの肺微小血管内皮細胞の変化から検討をした。レーザ共焦点顕微鏡と蛍光抗体二重染色法により肺の微小血管の形態学的変化を立体的に解明した。また血管増殖に関連するthrombin, PARs、VEGF、VEGFRなどの関連因子の変化をRT-PCR法により検討した。内皮細胞のアポトーシスを活性型caspase-3とTUNEL法により検出した。その結果、(1)RAの血管内皮細胞とUIPの血管内皮細胞は本来強く発現するthrombomodulin(TM, thrombinの受容体)の発現を消失してvWF(von willebrand factor)を発現した。NSIPの内皮細胞は細胞膜のTMと細胞質のvWFがドーナツ状をなし、TMが維持されていた。(2)肺胞領域の血管数と血管分枝数は、正常肺に比べてRAとUIPが高度に減少し、NSIPは大差なかった。(3)RA肺、UIPとNSIPの血管内皮にcaspase-3とTUNEL陽性細胞が多く、内皮細胞のアポトーシスが確認できた。(4)VEGFとKDRのmRNAの発現は正常肺より有意に低下した。 これまでの結果から、ヒトRA肺の血管内皮細胞が著しく変化し、肺胞構造の改築により血管が減少していることが特徴付けられる。RA肺とUIP、NSIPの血管変化はVEGFとVEGFRの発現の低下と内皮細胞死による肺胞毛細血管のリモデリングに関与すると考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)