急性肺傷害における薬物療法と人工換気様式を組み合わせた治療効果の検討
Project/Area Number |
16790882
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中村 利秋 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (00325656)
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Project Period (FY) |
2004 – 2006
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
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Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2006: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2005: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 急性肺傷害 / 薬物療法 / β刺激剤 / 人工呼吸 |
Research Abstract |
ARDSの治療に関する報告は、数多くみられるが、殊に薬物療法に関しては、少なくとも現在のところ有効な治療法を報告したものはない。そしてこれから検討、評価されていくべき有効な可能性のある薬物としてβ刺激剤があげられる。そこで急性肺傷害をおこした生体に対しての効果的な薬物療法と肺に保護的な換気様式を組み合わせた急性呼吸不全モデルにおける治療効果についての検討をおこなった。平成16年度は、傷害肺における酸素化能、炎症所見、メカニクスに関して以下のことを明らかにした。 1.酸吸引性肺傷害ラットモデルを用い、β刺激剤であるTerbutaline投与群で傷害後の酸素化能の改善効果を認めた。 2.肺傷害後の気管支肺胞洗浄液中の白血球数とタンパク濃度は、Terbutaline投与群、非投与群ともに上昇を認め、これらの数値から炎症の程度は同様に発生していると考えられた。 3.傷害肺における静的コンプライアンスの低下は非投与群と比較してTerbutaline投与群のほうが軽度であった。 4.傷害後の肺の組織学的検討で、Terbutaline投与群において肺胞内の浸出液が少なかった。 5.傷害後の肺の浮腫の程度の指標としての湿乾重量比においてTerbutaline投与群において非投与群と比べ浮腫の程度が軽減されていた。 平成17〜18年度は、平成16年度の結果をもとに、奏功する薬物投与下に傷害肺にとって保護的となる最適な人工呼吸器設定について検討、評価した。その結果、かつてのように血液ガス分析データを正常化するような人工呼吸器の設定ではむしろ、医原性の肺損傷を助長することが判明した。そこで最高気道内圧を制限し、かつ低一回換気量で人工呼吸をおこない、ある程度の低酸素血症、高炭酸ガス血症は許容すると肺傷害の進展を防ぐことができ予後改善効果がのぞめることが明らかとなり、今後の呼吸不全に対する新しい人工呼吸器管理法となりえることがわかった。
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Report
(3 results)
Research Products
(1 results)