Project/Area Number |
16790896
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Anesthesiology/Resuscitation studies
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
福井 秀公 東京医科大学, 医学部, 助手 (90349499)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,200,000 (Direct Cost: ¥3,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Keywords | 脳細胞環境系 / グリア細胞 / 脳虚血 / グリア混在培養脳神経細胞 / 新規VIP誘導体 / 脳虚血モデル動物 / IL-6 / GM-CSF / 脳内細胞環境系 / 細胞外マトリックス / lipopolysaccharide / TNFα / Calcein AM |
Research Abstract |
研究目的:本研究は、酵素分解抵抗性を有する新規VIP誘導体の脳保護作用に関して、脳細胞環境系を基盤とした作用機序解明を目的とした。方法:1)ラット小脳顆粒細胞の初代培養細胞は、a)神経細胞+グリア細胞混在群、b)Ara-Cを加えた神経細胞が豊富な群、の2群とした。2)細胞障害は、1mMGluで20時間処理を行った。3)細胞障害の検索は、蛍光法であるCalcein法で行った。4)IL-6、GM-CSFはELISA法にて測定を行った。5)脳虚血モデルとして、I群:中大脳動脈閉塞(MCAO)とII群:総頚動脈結紮(2VO)の2種を作成した。脳虚血モデルの作成は、イソフルラン麻酔下にてI群:MCAOでは、右外頚動脈から内頚動脈にフィラメントを30分間挿入し、2群:2VOでは、両側総頸動脈を10分間結紮し、その後、再還流した。6)薬物の投与は、虚血解除の直後に10ml/Kgを腹腔内投与した。完全な脳虚血が得られたモデルに限り、虚血再還流後MCAOでは72時間後、2VOでは7日後に、脳を摘出し凍結切片を作成した。7)MCAOでは、脳の梗塞範囲を検定するため、NeuN抗体を用いた免疫組織染色で神経細胞を染色後、CCDカメラでコンピュターに取り込み、NIH imageで梗塞範囲を3次元的に計測を行った。2VOでは、脳細胞死を検定するために、ギムザ染色で神経細胞を染色し顕微鏡下で海馬細胞数を計測した。結果:1)培養細胞群において、新規VIP誘導体は、グリア細胞混在群でのみ、10^<-12>〜10^<-8>Mの範囲で対照群と比較して有意な脳細胞保護作用が認められた。さらに、これらの脳保護作用はグリア細胞からのIL-6さらにGM-CSF誘発と関連することが示唆された。2)脳虚血モデル群において、いずれの虚血群も新規VIP誘導体は10^<-10>〜10^<-7>M(投与量;10ml/kg)の濃度で無処置群と比較して脳損傷部位の範囲や脳細胞数の減少が抑制されており、脳保護作用が認められた。結語:新規VIP誘導体は、血液脳関門を通過しグリア細胞を主とした脳細胞環境系を介し、従来の脳保護作用を有す候補物質よりも明らかに低濃度で脳細胞死に対する抑制効果を示した。
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