Budget Amount *help |
¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
【目的】1)マウスES細胞を用いて,尿路組織(上皮・平滑筋)の誘導を試みる. 2)培養組織を生体へ移植することにより,臨床への応用可能性を探る. 【方法】マウスES細胞(129/sv strain)から,コニカルチューブを用いて胚様体(EB)を形成した.これを単層の組織培養用アテロコラーゲン膜上に接着させ,2〜4週間培養した.培養液の条件を変えることにより,重層上皮と間葉組織から成る2層構造をもった組織を誘導することができた.同組織をヌードマウスの皮下および腎被膜下に移植し,2週および4週間後に採取した. (1)培養組織について,免疫染色,ウェスタンブロット法,透過型電子顕微鏡,RT-PCR法にて評価した. (2)移植組織については,免疫染色を行った. (3)また,移植組織が奇形腫を形成しない条件についても検討した. 【結果】(1)培養組織は,重層上皮と平滑筋細胞を含む間葉組織からなる2層構造を示した.上皮は,pancytokeratin, cytokeratin 8, 18に陽性で,内胚葉系への分化傾向を示すと思われた.また,間質組織には,αsmooth muscle actin(SMA)陽性細胞が高率に認められた.RT-PCRでは,各種平滑筋マーカー(αSMA, calponin, myosin)の発現を認めた.また,尿路上皮マーカーであるuroplakin(Upk)の発現も認めた. (2)移植した組織についても,一部にUpk3に染まる上皮様構造が確認された (3)分化誘導培地を用いることにより,ある程度奇形腫形成が抑制された. 【結論】同方法により,ある程度分化した2層構造の組織を得ることができ,一部に尿路上皮の発現も認められた.また,分化誘導培地の使用や前処置を行うことにより,移植組織からの奇形腫形成も抑制できる可能性が示された.研究段階ではあるが,尿路や消化器系への応用可能性が示された.
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