Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
これまで、膀胱平滑筋には様々なムスカリン受容体が存在し、その役割がサブタイプにより異なることをin vitroにおいて検討した。昨年はin vivoにおいて、骨盤神経刺激で膀胱平滑筋を収縮させ、膀胱内圧を測定する方法を確立した。本年はその実験系を応用し、マイクロダイアリシス法を併用して、in vivoでアセチルコリン放出量を測定する方法の確立を行った。また、アトロピンを投与し、膀胱内圧の変化とアセチルコリン放出量の変化を検討した。雌性S-Dラットを麻酔後開腹し、両側尿管を同定し結紮切断した。経尿道的に20Gのアンギオカテーテルを膀胱内に挿入し、外尿道口とともに結紮し固定した。膀胱内には排尿反射が起こらない最大量の生理食塩水を注入し、膀胱内のカテーテルを圧トランスデューサに接続し、膀胱内圧変化を記録した。また、膀胱頂部に専用透析プローブを刺入し、透析液を2μl/minで還流させ、10分毎に透析液を回収した。片側の骨盤神経は結紮切断し、残りの骨盤神経を十分剥離した後、末梢側に糸をかけて切断し、それをフック型双極電極に乗せ、電気刺激(duration 1msec、 frequency 1-10Hz、 train60s)を行った。回収した透析液は、電気化学検出器付き高速液体クロマトグラフィーに注入し、解析装置でアセチルコリン量を測定した。アトロピンを経静脈的に投与し、膀胱内圧、アセチルコリン放出量を検討した。骨盤神経の電気刺激により、膀胱内圧は2相性に収縮反応を示し、周波数依存性に増加反応を示した。また、アトロピンの投与により、膀胱内圧の持続相は濃度依存性に抑制されたが、アセチルコリンの放出量には有意な変化は認められなかった。以上の結果から、ラット膀胱におけるムスカリン受容体の役割は様々であり、本法によりin vivoにおいてもムスカリン受容体の薬理学的解析が可能であることが示唆された。
All 2006 2004
All Journal Article (4 results)
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