Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
前立腺ガン腫瘍における去勢後のIGF関連遺伝子群の変化:アンドロゲン感受性前立腺ガン細胞モデルであるLNCaPをヌードマウスの皮下にShionogiをDDSマウスの皮下に移植し去勢を行いホルモン依存性獲得に至るまでのいろいろな時期で腫瘍を収穫しそれらからLNCaP shionogi microtissue arrayシステムを構築した。腫瘍は去勢前、去勢後3、7、10、14、21、28日後とした。免疫染色はIGF-I、II、IGF受容体、IGFBP1~6、AMACRを行った。免疫染色スコアーは画像解析ソフトを使用し評価した。去勢後、上昇してくるものとしてはIGFBP-2、5、AMACRであった。現在これらの腫瘍からmRNAや蛋白を抽出しノザン、ウエスタンブロッティングより変化を再確認している。またLNCaPはホストマウスの血中にもPSAを出すためこれらの遺伝子発現の変化とPSA値の変動を解析中である。去勢後、高発現を示す遺伝子に関してはその遺伝子に対するアンチセンスオリゴヌクレオチドを制作を予定していたが最近の主流はsiRNAになっておりIGFBP-2とAMACRに関してその発現を抑制するための遺伝子配列を見出し現在LNCaPとC4-2(アンドロゲン非依存性LNCaP)に投与している。特にAMACRに対するsiRNAはその発現を最高で16分の1にまで抑制した。次にsiRNAで処理されたC4-2とされていないものをさらにcDNAアレーで遺伝子発現の違いを検討した。大きく変化しているものとしてアンドロゲンレセプター、IGF、PDGFなどのグロースファクターの変化が認められた。中でもアンドロゲンレセプターはAMACRの発現を抑えたもので発現が戻っていることは注目すべきことと考えこのAMACRが前立腺癌のホルモン非依存性獲得にかかわっている可能性をさらに強く示唆するものと考えた。この変化を現在さらに詳しく検討中である。