Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
1.ヒト上顎癌細胞株IMC3に正常pH(pH7.4)と低pH(pH6.8)条件下で、それぞれ温熱刺激(44℃30分)を加え、6時間後の遺伝子発現をDNAアレイにて解析した。その結果、低pH条件での温熱刺激でのみ発現する遺伝子群があることが解った。我々はこの中でも、histone deacetylase 3(HDAC3)に着目した。2.IMC3に正常pHと低pH条件下で、それぞれ温熱刺激(44℃30分)を加え、12時間後のHDAC3蛋白発現をウェスタンブロット法により解析した。その結果、低pH条件での温熱刺激でのみ、HDAC3蛋白が強発現する事が解った。さらにHDAC3のアンチセンスオリゴヌクレオチドを作製し、実際にHDAC3蛋白発現を抑制できることを確認した。3.フローサイトメトリーを用いた実験で、アンチセンスオリゴによりHDAC3を抑制した状態では、低pH条件での温熱刺激によるG2/M期停止が解除され、アポトーシスが増強する事が解った。4.Clonogenic cell survival assayにより、低pH条件での温熱刺激は、正常pH条件での温熱刺激よりも殺細胞効果が高いことが解ったが、HDAC3抑制下での低pH条件温熱刺激はさらに約10倍殺細胞効果が高いことが証明された。5.ヌードマウスを用いた実験により、生体内においても、HDAC3抑制は温熱刺激のアポトーシス誘導効果を増感することが解った。6.ELISA法を用いた実験から、このHDAC3抑制による低pH条件での温熱の増感効果にはNF-kBのサブユニットであるp65が関連する可能性が示された。
All 2005 2004
All Journal Article (2 results)
Oncogene 24(49)
Pages: 7346-7354
頭頸部癌 30(4)
Pages: 641-645
10014246494