Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
研究計画に記載したように人工内耳装用者に先立ち、まず健常人にてPET検査を行っているところである。音源の移動するように感じるサウンドを、位相差と大きさの変化などにより生成しPET室で使用可能な音刺激装置を作成した。PET検査室に刺激装置を持ち込み、半減期約2分の^<15>Oで放射性標識された水(H_2^<15>O)を脳血液のトレーサとして用い、1.固定音 2.移動音(L->R)3.移動音(R->L)の3条件で脳アクティベーションスタディ(15回の繰り返し、一連で約3時間の検査)を行う。刺激音はFM音源をキャリアーとしこれに低周波振幅変調を行いこれに立ち上がり立ち下がりのランプエンベロープをかけ持続時間1000msの音とする。移動音の場合はこの音源に対して相応の大きさの変化・位相差(時間差)の変化をつけ、両耳で聞いたときに音源が移動しているように聞こえる音である。なお、現在のところPETにてデータ収集中であり、全体としての結果の解析はまだ行っていない。このデータをSPMソフトウエアにて統計解析することにより音の方向感の中枢がどのように働いているか、両耳聴の有用性が明らかになる予定である。この1年で、十数名の健常者の音源移動時の脳活動をPETデータを収集し、現在これをSPMソフトウエアを用いて解析している。これにより、聴覚野のみならず、音源の認知に関しては左側頭葉後部や頭頂葉の関連が明らかになりつつある。今後、解析が完了すれば論文作成の予定である。