内リンパ嚢におけるイオン輸送の方向性およびその制御機構
Project/Area Number |
16791003
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Otorhinolaryngology
|
Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
宮下 武憲 香川大学, 医学部, 助手 (60363214)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2006
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2006)
|
Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2006: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
|
Keywords | 内耳 / イオン輸送 / イメージング / パッチクランプ / イオンチャネル / 内リンパ嚢 / メニエール病 / ナトリウムポンプ |
Research Abstract |
まず、内リンパ嚢にどの程度のイオン輸送能があるかを調べた。イオン輸送のdriving forceを作り出す機構を明らかにするため、Naポンプに着目し、イオンイメージング法を用いて、内リンパ嚢におけるNa輸送能を細胞レベルで定量した。また、細胞型による機能差を識別するためミトコンドリア染色を併用し、同一標本で細胞型を同定した。このとき、固定細胞および生きた内リンパ嚢上皮細胞での安定したミトコンドリア染色方法を開発した。その結果、ミトコンドリアが豊富であり、解剖学的にイオン輸送に関係していると推定されていたmitochondria rich cellsに、Naポンプ活性が高く、また、Na流入も多いことが確認できた。この実測データーをもとに、内リンパ嚢でのNaポンプによるNa輸送能をシュミレーションした。その結果、内リンパ嚢におけるmitochondria rich cellsにおけるNaポンプが内リンパ液の輸送に充分なdriving forceを提供しうることが確認でき、これまでのin vivoでの内リンパ水腫作成実験の報告と矛盾しない結果を得た(Miyashita et al 2007)。 次に、細胞が生きた状態で内リンパ嚢中間部における細胞型を同定した上で、apical側からパッチクランプを試みた。分離細胞では、分離時の障害によりはっきりした細胞系同定が困難と判断し、シート状に分離した上皮細胞を生きた状態で染色し、細胞系を同定した上で、シート状の上皮細胞にapical側からパッチクランプする方法を開発した。このことで、細胞系およびイオントランスポーターの局在、イオントランスポーターの性質が確認できる実験系を確立できた。その結果、内リンパ嚢中間部上皮細胞apical側にはK channelがdominantに存在し、活性化されていることが確認できた。
|
Report
(3 results)
Research Products
(2 results)