Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
平成16、17年度の結果を反映させ、骨導超音波が呈示されたときの生体内音場を計算したところ、骨導超音波呈示に対して知覚される音の大きさ、方向感などの特徴と、数値計算において算出された蝸牛に形成される音場の特徴との間に対応がみられた。これまでの研究においても、気導可聴音刺激に対して観測されるABR波形と類似した波形が骨導超音波刺激に対しても観測される、人工内耳装用耳で骨導超音波を聴取することができない、など、骨導超音波の知覚に蝸牛が関与していることが推測される結果が出ており、本研究の結果はそれらを支持するものといえる。そこで、モルモットを用いて、蝸牛および蝸牛神経由来の反応(蝸電図)の計測を行い、骨導超音波呈示に対する内耳の反応を観測することにした。振動子は、モルモットへの刺激呈示に適した小型のものを試作した。骨導超音波の暴露に対する安全性の確認の行うことも考慮に入れ、大きな出力を稼ぐことができるランジュバン型の振動子とした。その結果、気導可聴音呈示に対する蝸電図波形と類似した反応が、骨導超音波呈示に対するそれに対しても観測することができた。このことは、骨導超音波の知覚経路に蝸牛および蝸牛神経が含まれていることを示唆するものであった。このほかにも骨導超音波聴取と高周波の気導可聴音聴取が脳磁界応答に与える影響について、MEGを用いて計測した。骨導超音波が呈示されると、十数kHzの可聴音と類似したピッチを聴取することができるため、それら可聴音の反応と類似した応答が観測されることを予測したが、呈示音の音圧の変化に対する脳磁界応答N1mの振幅、潜時などの変化において両者の問に相違点が存在した。このことは、骨導超音波が高周波気導可聴音の聴取とは異なる処理課程を中枢において経ていることを示唆するものであった。
All 2006 2005 2004
All Journal Article (12 results)
The 11th Korea-Japan Joint Meeting of Otorhinolaryngology-Head and Neck Surgery
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電子情報通信学会 信学技報 US2004 48-57
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