Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
これまで報告のなかったマウス網膜神経節細胞(RGC)の単離培養を、2 step panning法をもとに試み可能とした。この培養系を用い、RGCの特異的蛋白であるThy1蛋白遺伝子にgreen fluorescent protein (GFP)遺伝子をtransgenicさせることにより青色光にてRGCが自発蛍光するトランスジェニックマウス(RGC蛍光蛋白発現マウス)の遺伝子変異型RGCが、野生型RGCと同等の細胞形態、細胞活性を有するかを検討した。単離培養された遺伝子変異型RGCは、樹状突起の形成が不良であり、野生型RGCと比べ形態的に異なる傾向が認められたが、自然経過または遠心による圧力など負荷をかけた際のRGCの細胞活性(生存率)を比較したところ、遺伝子変異型RGCと野生型RGCの間に明らかな違いはみられなかった。さらに、このマウスを用いて視神経crushモデルを作成し、網膜のwhole mountスライドにてRGC障害を評価したところ、RGC障害が経時的に進行すること、RGC減少が網膜周辺より中心部位でより著明なことを確認した。個々のRGCにおいては、細胞体の不整、縮小や低蛍光、樹状突起の先細り、消失や途絶が観察され、視神経crushモデルにおいても、緑内障と同様なRGCの形態変化を呈した。matrix metalloproteinase 1によりコラーゲン1が代謝されないためコラーゲン1が生体内に蓄積し、眼圧上昇、RGC障害のみられるトランスジェニックマウス(コラーゲンタイプ1代謝異常マウス)においては、視神経におけるコラーゲン1の蓄積、neurofilamentの脱リン酸化の程度を検討したところ、視神経におけるコラーゲン1の発現に明らかな差は認められなかったが、野生型マウスよりもホモ遺伝子変異マウスにおいて、neurofilamentの脱リン酸化が認められる可能性が示唆された。また、apolipoprotein E (APOE)は、緑内障発症への関与を示唆する報告があり、RGC生存に重要な役割を果たしている可能性があるが、APOEのノックアウトマウスを入手できたので、APOEとRGC減少との関連について検討するため繁殖実験を行った。
All 2007 2006 2005
All Journal Article (3 results)
American Journal of Ophthalmology 143・1
Pages: 125-130
Molecular Vision 12
Pages: 735-739
Molecular Vision 11
Pages: 609-612