ヒト網膜色素上皮細胞の基底膜遊離による遺伝子発現様式変化と増殖性硝子体網膜症
Project/Area Number |
16791080
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Ophthalmology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
本田 茂 神戸大学, 大学院医学系研究科, 助手 (60283892)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,900,000 (Direct Cost: ¥1,900,000)
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Keywords | 網膜色素上皮細胞 / マイクロアレイ / マトリゲル / コラーゲンI / 血管新生因子 / インテグリン / ファイブロネクチン / リアルタイムPCR / 成長因子 / 細胞接着因子 / 細胞外基質蛋白 |
Research Abstract |
1.前回報告のごとく、ヒト網膜色素上皮細胞(以下細胞と呼ぶ)を物理的あるいは酵素にて基底膜から分離し、再接着を妨げるために軽い震盪を与えながら培養すると多くの細胞がアポトーシスと思われる細胞死を引き起こし、病態の再現が困難であったため、細胞をマトリゲル、コラーゲンIまたはファイブロネクチンでそれぞれコートされた培養皿で培養し、今回の実験系を作成した。 2.コンフルエントになった細胞を無血清培地にてさらに3日間培養したところ、いずれの細胞も正常の網膜色素上皮細胞の表現型を示し、形態学的な差異は認めなかった。 3.各条件の細胞からtotalRNAを抽出してDNAマイクロアレイで約300種の遺伝子発現様式を調べた後、候補遺伝子をリアルタイムPCRで定量的解析を行った結果、コラーゲンI上で培養された細胞ではマトリゲルに比べ血管新生因子(VEGF、インテグリンスーパーファミリー、uPA、TGF-β2など)の発現増加が見られる一方、FGFファミリーやIGF-1、ファイブロネクチンの発現減少が認められた。また、VEGFとインテグリンα2β1に関してはウエスタンブロットや免疫細胞染色にて蛋白量の増加も確認できた。 4.ファイブロネクチン上で培養された細胞ではマトリゲルに比べインターロイキンスーパーファミリーやICAM-1など炎症に関わる分子の発現増加が認められたが、VEGFなどの血管新生因子の発現には有意差がなかった。 5.コラーゲンI上での培養系においてインテグリン阻害薬を添加した実験ではインテグリンおよびVEGF-A,B,C各サブタイプの発現上昇が濃度依存的に抑制された。 6.今までに得られた結果からは、本実験系は増殖性硝子体網膜症よりむしろ滲出型加齢黄斑変性症の初期病変に近い病態を擬似している可能性が示唆された。今回判明した事実は加齢黄斑変性症の研究分野においても過去に報告がなく、新しい知見であることからさらなる発展が期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)