Research Project
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
アスパラギン合成酵素(ASNS)遺伝子より作成したpcDNA3.1 ASNS-GFPプラスミドベクターを用いてASNSの安定発現株を構築試みたが、今回用いた導入試薬(リポフェクトアミン2000)によっては完全な安定発現株を構築できなかった。より毒性の低い導入試薬の検討が必要と思われる。EGCGによってRaw264.7細胞は、アポトーシスが引き起こされた。オートファジーの指標であるアクリジン染色により、その活性が抑制されていること、LC3/GFP融合タンパクの発現実験よりLC3タンパク質のオートファゴゾームへの集積が阻害されることから恒常的に発生しているオートファジーを阻害することで誘導しているものと思われた。EGCGによる歯周病への効果は、歯周病菌への殺菌効果だけでなくマクロファージ系細胞のアポトーシス誘導も合わせ持つ可能性が示唆された。一方、オートファジーは、アミノ酸の欠乏状態により誘導される事が知られている。12-O-tetradecanoylphorbol-13-acetate(TPA)によりマクロファージ様に分化誘導させたヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)を用いてASNSの発現に減少からMAPK系を介した発現制御が起きていることが示唆されたがマクロファージ細胞でも有効かはいまだ不明である。しかし、アスパラギン合成酵素の働きを制御することでオートファジーを阻害し、アポトーシスを誘導し、歯周病の原因になる過剰な生体防御反応を抑制できる可能性を見出した。