ラット耳下腺腺房細胞の分泌顆粒生成過程における膜ドメインの機能
Project/Area Number |
16791135
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Functional basic dentistry
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
勝俣 治 日本大学, 松戸歯学部, 講師 (70349968)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,700,000 (Direct Cost: ¥1,700,000)
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Keywords | 生理学 / 歯学 / シグナル伝達 / 糖鎖 / 脂質 / 膜ドメイン / 耳下腺 / 分泌顆粒 / 顆粒成熟 / ラフト / シンタキシン6 / 糖脂質 |
Research Abstract |
本研究は耳下腺腺房細胞の分泌顆粒の生成・成熟過程を解明するため、膜タンパク質の局在制御機構を担う膜ドメインと分泌顆粒膜タンパク質であるシンタキシン6の挙動に焦点を当てた。ラット耳下腺には比重の軽い未成熟顆粒と重い成熟顆粒が存在し,顆粒生成に関与すると考えられているシンタキシン6は成熟するに従い膜タンパク比が低下することが明らかとなっている。これはシンタキシン6が分泌顆粒形成後,他のオルガネラに輸送されることを示しており,申請者はその機構に膜ドメインが関与しているのではないかと仮説を建てた。検討の結果,形成直後の顆粒では他の膜タンパク質と局在を共にしていたシンタキシン6が,時間経過と共に膜ドメインにより分離されること。形成直後の分泌顆粒は比重的にも膜タンパク的にも,これまで言われていた未成熟顆粒と同じ性質を持っていることが明らかとなった。さらに,膜ドメインの分布を詳細に検討すると,シンタキシン6と同じ膜ドメインフラクションに分離される膜タンパク質のRab3Dがシンタキシン6とは異なる時間経過で分離されていた。この結果はそれぞれの膜ドメインが異なる分泌顆粒に由来するのではなく,同じ分泌顆粒上での反応であることを示している。本研究により仕事を終えたシンタキシン6が分泌顆粒から他のオルガネラにリサイクルされる前に,分泌顆粒上で膜ドメインによる選別機構があることが示された。これ結果はこれまでほとんど解明されていなかった耳下腺における分泌顆粒の成熟機構を理解するための大きな一歩であり,将来的にはドライマウスと呼ばれる唾液分泌障害の治療にも役立つものと期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)