Project/Area Number |
16791159
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
山田 志津香 長崎大学, 大学院医歯薬学総合研究科, 助手 (00363458)
|
Project Period (FY) |
2004 – 2005
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
|
Budget Amount *help |
¥3,500,000 (Direct Cost: ¥3,500,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
|
Keywords | キトサン / 生物学的石灰化 / NOS-1細胞 / アルカリフォスファターゼ / インターフェロンγレセプター / インテグリンβ1 / Chitosan / Clinostat / Microgravity / NOS-1 cells / Alkaline phosphatase / Interferon γ receptor |
Research Abstract |
昨年度は、微小重力を模擬するためのクリノスタットを用いて、実験的に骨芽細胞のアルカリフォスファターゼ(ALP)活性を低下させた後、天然アミノ糖であるキトサンを培地に添加することでALP活性が改善することを確認した。今年度は、昨年度に用いたキトサン(モノマー)より大きい分子量のキトサン(ポリマー)を培地に添加して、培養骨芽細胞への生物学的石灰化に関する影響をin vitroの実験系で検討した。 実験にはNOS-1細胞というヒト骨肉腫由来の骨芽細胞を用いた。まず、キトサンポリマー(分子量:10,000 Da)を酢酸溶液に溶解後、pH7.4に調整して0.2μmフィルターで濾過減菌を行い、キトサン溶液を調整した。そして、ポリマーの至適濃度を調査する為に、a-MEM培地中に総濃度が0.0005%、0.0025%、0.005%、0.05%、0.5%となるようにキトサン溶液を添加して、1×10^6 cells/60mm dishの同細胞を播種し、培養を行った。培養3日目に、細胞を回収し、ALP活性と総蛋白濃度が測定された。その結果、キトサンモノマーでの実験結果と同様に、ポリマーにおいても0.005%キトサン群がコントロール群より有意に高いALP活性を示した(p<0.05)。 次に、同細胞を上記と同様の条件で培養した後、石灰化に関連するmRNAの発現を検討する為にリアルタイムPCR装置を用いて解析を行った。その結果、インターフェロンγレセプター(IFNγ receptor)とインテグリンβ1(ITGβ1)の発現が僅かに増加することを確認した。 更に、同細胞を有機リン酸塩含有の培地で15日間、培養後、石灰化結節の形成を確認する為に、von-Kossa染色を行った。その結果、キトサン群の石灰化物がコントロール群よりも多く見られた。これまでにモノマーを用いた研究において、今回と同様の石灰化を促進する所見を得ているが、モノマーは主にMAPK経路に関連する遺伝子が増加したのに対し、ポリマーでは細胞接着に関連する遺伝子の発現も僅かに増加していた。 本結果から、極低濃度のポリマーにおいても、IFNγ receptorとITGβ1を介して骨芽細胞のALP活性を増加させ石灰化を促進させる可能性が示唆された。 以上の研究結果を、2005年6月に北海道で開催された第122回日本歯科保存学会春季大会においてポスター発表した。
|