Budget Amount *help |
¥3,400,000 (Direct Cost: ¥3,400,000)
Fiscal Year 2005: ¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2004: ¥2,000,000 (Direct Cost: ¥2,000,000)
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Research Abstract |
ヘパラン硫酸プロテオグリカン(HSPG)は種々の細胞増殖因子や基底膜細胞外マトリックス成分などの広範な蛋白質と結合してこれらの蛋白質の活性や機能を制御したり、細胞内に特異的なシグナル応答を導くことが報告されている。象牙芽細胞様細胞が多く含まれるラット歯髄細胞のライブラリーにGlypican-1が多く含まれていたためGlypican-1が象牙芽細胞様細胞の分化や硬組織産生に関与していることが考えられた。そこでGlypican-1の発現部位をgoat anti-Glypican-1抗体を用いて免疫組織染色によって調べた。Glypican-1タンパクの発現は、象牙芽細胞様細胞で認められた。さらに象牙芽細胞様細胞への分化や硬組織産生への関与を経時的に調べるためにラット歯髄細胞を培養し、培地にアスコルビン酸やβ-グリセロ燐酸を入れ歯髄細胞による硬組織産生を促し経時的にGlypican-1の発現量を約1ヶ月間計測した。発現量の計測にはReal time PCRを用いた。培養歯髄細胞が象牙芽細胞様細胞に分化し硬組織産生を行っている過程をTGF-β1,Dspp,オステオカルシンの遺伝子発現を調べて確認した。TGF-βとGlypican-1は増加した後減少したが、オステオカルシンとDsppは約20日から増加した。TGF-β1の発現のピークよりやや遅れてGlypican-1の発現のピークが現れた。Dsppの発現は象牙芽細胞が分泌を始める頃に認められ、オステオカルシンの発現は充分に成熟した象牙芽細胞に認められる。Glypican-1mRNAの発現は、象牙芽細胞様細胞の分化が進むにつれ増加し象牙芽細胞様細胞が成熟期となるにつれ減少した。これらの結果よりGlypican-1geneの発現は象牙芽細胞様細胞の分化や硬組織産生に関与している可能性が示唆された。
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