Project/Area Number |
16791176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Young Scientists (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Conservative dentistry
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
廣瀬 泰明 大阪歯大, 歯学部, 助手 (70340619)
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Project Period (FY) |
2004 – 2005
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2005)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2005: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2004: ¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
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Keywords | フッ化物 / 象牙物 / フッ素徐放性 / 脱灰 / 再石灰化 / ふ蝕 |
Research Abstract |
近年、フッ素徐放性コンポジットレジンが開発・応用されているが、象牙質に対してのフッ化物の効果については十分な化学的情報が得られていない。すなわち、フッ化物含有修復材料からの溶出されるフッ化物による効果の詳細は不明な状態で、臨床応用されている。 そこで、以下の研究を行った。 1.一般に臨床応用されているフッ化物含有修復材料の基本的性能を調べるため、フッ化物溶出量および機械的強度の測定を行った。 フッ化物徐放性材料からのフッ化物の溶出濃度は、現在臨床で応用されている歯面塗布などと比較すると非常に微量であることが明らかとなった。また、フッ化物の溶出と圧縮強さとの関係は認められなかった。 2.フッ化物による二次う蝕に対する影響を検討するため、微量なフッ化物の影響を検出可能な初期人工う蝕の標準試料の規定をした。 研磨象牙質を脱灰・再石灰化溶液(0.1M乳酸溶液、0.2%水溶性レジン:Carbopolおよび50%飽和HAp溶液、37℃、pH5.0)に24時間浸漬し、脱灰・再石灰化象牙質を作製した。 試料表面を原子間力顕微鏡を用いて表面微細構造の観察を、X線光電子分光分析装置を用いて化学組成分析を行った。 表面微細構造およびCa/P比等の化学組成分析から、妥当な初期人工象牙質う蝕の標準試料の作製が可能となった。 3.フッ化物徐放性材料からの象牙質への耐酸性の獲得を検討するため、1において測定した同濃度のフッ化物処理を健全象牙質および脱灰・再石灰化象牙質に対して行い、その表面性状の観察、分析を行った。 微量なフッ化物の浸漬では、象牙質の耐酸性の獲得は認められなかった。 4.フッ化物が象牙質に取り込まれなくても、ごく低濃度のフッ化物が周囲に存在するだけで、象牙質の脱灰が抑制されるかどうかを確認するために、酢酸緩衝液にて脱灰後、脱カルシウム量の測定を行った。 硬化直後にフッ化物徐放性修復材料から溶出するごく低濃度のフッ化物によって、酢酸緩衝液による象牙質の脱灰を抑制することが明らかとなった。 その脱灰抑制効果は、フッ化物が歯質に取り込まれた結果によって象牙質の耐酸性が向上するのではなく、フッ化物徐放性修復材料からフッ化物が持続的に供給され、象牙質周辺にフッ化物が存在することによる脱灰抑制効果によるものであることが示された。 フッ化物による脱灰抑制効果はフッ化物の濃度に依存せず、ごく低濃度のフッ化物が存在するだけで、同程度の脱灰抑制効果を発揮した。
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